2012年度軽種馬後継者研修の開講式が行われる
11月5日、新ひだか町の日本軽種馬協会静内種馬場事務所2階において、2012年度軽種馬後継者研修の開講式が行われた。
この研修は競走馬の生産・育成牧場の後継者や家族、スタッドマネージャー及びそれに準じる人を対象に、競走馬生産の業務に必要な知識の修得、馬の取扱い、乗馬の基礎研修を行なうもの。JRAの助成を受けて平成2年に開講した21年の歴史を持つ研修で、これまでに179名の研修生を送り出している。
研修は11月5日から11月16日までの土曜日曜を除く10日間。今年は日高町・新冠町・新ひだか町・浦河町・えりも町の牧場から、23歳から42歳までの11名(男性7名、女性4名)が入講した。
開講式では中西信吾場長は「わが国は平成19年からパートⅠ国として競馬先進国の仲間入りをしました。世界に通用する強い競走馬を送り出すためには優れた技術者の養成が不可欠です。皆さんが本日から受ける研修内容は多種にわたっています。馬の飼養管理、繁殖の管理、騎乗技術など幅広い知識等を、最先端の講師にお願いしてわかりやすく研修できるようになってます。研修中は健康に留意し、ホースマンとしての研鑽に務め、そして現在厳しい状況にある生産界に、新たなる活力をもたらす原動力になってください」と河野洋平会長の式辞を代読。開講式の後は研修所に場所を移し、初日の講義が行われた。
2日目はコスモヴューファームの岡田繁幸さんを講師に招き、「日本の馬産を考える」をテーマに講義。岡田さんは現在の日本の競馬界が抱える問題点、資本主義の原理、牧場経営、馬の見方などを自らの経験に基づきレクチャー。「10年後、自分がどうなりたいかという夢や希望を持って生きていくことが大事。牧場経営も同じで、将来どうなっているか自分で考え、先見性を持って行動していきましょう」と次世代を担う若者にエールを送った。
講義には今年3月から静内種馬場で研修中の生産育成技術者研修34期生も出席。研修生とともに熱心にメモを取ったり質問をし、知識を吸収しようとしていた。
研修カリキュラムは下記の通り。
11月5日:「馬の初期馴致について」講師:JRA日高育成牧場(頃末憲治氏)
11月6日:「日本の馬産を考える」講師:コスモヴューファーム(岡田繁幸氏)、乗馬
11月7日:「馬の見分け方について」講師:JRA日高育成牧場(石丸睦樹氏)、乗馬
11月8日:「蹄の管理について」講師:JBBA静内種馬場(田中弘祐調査役)、乗馬
11月9日:「馬の栄養・飼料について」講師:JRA日高育成牧場(村瀬晴崇氏)、乗馬
11月12日:「牧場での仕事と腰痛について」講師:札幌西岡第一病院(皆川裕樹氏)、乗馬
11月13日:「JRA調教師との談話会」講師:日本調教師会関西支部(庄野靖志氏)、乗馬
11月14日:「繁殖牝馬・当歳馬の管理について」講師:JRA日高育成牧場(南保泰雄氏)、ロンジング・ドライビング
11月15日:「草地・土壌について」」講師:日高農業改良普及センター(川田恒氏)、乗馬
11月16日:「馬の疾病について」講師:軽種馬生産技術総合研修センター(仙波裕之次長)