エーデルワイス賞は地元馬ハニーパイが快勝
10月25日、門別競馬場では2歳牝馬による交流重賞、第15回エーデルワイス賞(Jpn3)が行われた。距離はダート1200m。
今年はJRA馬4頭を含む14頭がエントリー。一昨年、昨年と2連勝中のJRA勢からは、2歳OP特別で好走歴が光るレディー、ダート替わりで一変したウォーエンブレム産駒ヴェントスら素質馬が参戦し、迎え撃つ地元勢からは栄冠賞(H2)、JRA・すずらん賞を快勝したシーギリヤガールを筆頭に、リリーC(H3)の覇者ハニーパイ、栄冠賞(H2)3着馬で、船橋・石崎駿騎手を配して挑むベルフォーラヴらが有力視された。
レースはJRAのグランデタマがダッシュ良く逃げ、ベストヒット、エールドランジュが2、3番手。逃げ・先行馬を見ながらハニーパイ、シーギリヤガールは中団より少し前につけ、馬群は20馬身近く縦長にバラけた。3コーナーをまわって快調に飛ばすグランデタマに先行勢が並びかけ、その後ろからぴったりとハニーパイ、後続勢も一斉にゴーサインが入って直線へ。数頭が横に広がった中、抜け出してきたのは桑村真明騎手操るハニーパイ。直線半ばから先頭に立ち、2歳牝馬らしからぬダイナミックな走りで突き抜ける。人気のシーギリヤガールは伸びあぐね、後方で待機していたピッチシフターが内からするすると浮上。外からはJRAのヴェントス、バーニングハートが末脚を発揮したが、ハニーパイが追撃を振り切り、1分12秒4の時計でゴールした。2着は人気薄ピッチシフター、3着にはヴェントスが入り、3連単は70万円オーバーの波乱となった。やや重の勝ち時計は最終レースに組まれた同条件・古馬Bクラス特別戦より0.6秒早かった。
騎乗した桑村真明騎手は表彰式のインタビューで、「テンからカリカリさせないように折り合いに気を付けて騎乗しました。直線も手応え抜群で、最後までしっかりと伸びてくれましたね。前走では長い距離もこなしてくれましたし、今後の活躍が楽しみです。」と、振り返った。桑村騎手はストーミングスターでのイノセントC(H3)、シャイニングアワーでの道営スプリント(H2)に続き、今年重賞3勝目。管理する角川秀樹調教師は2009年のオノユウに続き、3度目の同重賞Vとなった。
ハニーパイはグランド牧場(新ひだか町)のオーナーブリーディングホース。2着のピッチシフターも同じで、今回は見事ワン・ツーフィニッシュを飾る結果となった。門別競馬場で観戦していた同牧場・伊藤佳幸社長は、「強い競馬でしたね。馬体重が増えていたし、着実に馬が成長しています。距離が延びても大丈夫だと思いますし、これからが楽しみです。」と、喜びを語った。
血統は父サウスヴィグラス×母の父アサティスで、同牧場生産のラブミーチャン(全日本2歳優駿(Jpn1)、東京盃(Jpn2)など優勝)、コテキタイ(南関東・桜花賞優勝)と同じく、実績の配合から再び強豪牝馬が現れた。母チャームカーニバルは現役時代JRA・1勝で、これまで4頭の仔を出産。ハニーパイの全妹となる1歳馬は今年のHBAサマーセールに上場され、永井商事(株)が430万5000円(税込)で落札し、今年3月30日にはハニーパイの全弟が誕生している。