10月24日、新ひだか町の北海道市場において、(株)ジェイエスが主催する｢ジェイエス繁殖馬セール｣が行われた。

　このセールは現在国内で開催される唯一の繁殖馬を対象とした公設市場。30年以上の歴史を持つセール出身馬からは、今年の牝馬クラシック戦線を賑わせたアイムユアーズの母セシルブルース、昨年のNHKマイルC(G1)優勝馬グランプリボスの母ロージーミスト、2009年天皇賞(春)(G1)勝ち馬マイネルキッツの母タカラカンナなど数多くの活躍馬の母が取引されている。セール取引馬からは毎年のように重賞戦線を賑わせる馬が出ており、血の更新をめざす生産者にとっては目の離せない市場になっている。

　セールでは受胎馬、未供用を含む空胎馬あわせ185頭が上場。うち137頭が売却され、売却総額は6億9081万6000円、売却率は74.05％、平均価格は504万2453円と、昨年を大きく上回る結果に終わった。

　最高価格で取引されたのはエリザベス女王杯優勝馬エリモシックの全妹で、リディル、クラレントの母エリモピクシー(14歳、父ダンシングブレーヴ、母エリモシューティング、母の父テスコボーイ、ディープインパクト受胎、販売者エクセルマネジメント)の9975万円(税込)。馬主の山本英俊さんが購買した。

　2番目の高額はおばにエリモシックがいるエリモハルカ(8歳、父ナリタトップロード、母エリモメロディー、母の父ロドリゴデトリアーノ、ゼンノロブロイ受胎、販売者エクセルマネジメント)の3360万円(税込)で、購買者は(有)チャンピオンズファームだった。

　3番目の高額はエリモマキシマムの半妹エリモフィナーレ(9歳、父サンデーサイレンス、母エリモアメジスト、母の父シアトルスルー、キングカメハメハ受胎、販売者エクセルマネジメント)の2152万5000円(税込)で(有)三嶋牧場が落札した。

　なお、1998年のオークス馬エリモエクセル(17歳、父ロドリゴデトリアーノ、母エリモファンタジー、母の父リヴァーマン、ヴィクトワールピサ受胎、販売者エクセルマネジメント)は(有)チャンピオンズファームが861万円(税込)で、1997年のエリザベス女王杯優勝馬エリモシック(19歳、父ダンシングブレーヴ、母エリモシューティング、母の父テスコボーイ、ワークフォース受胎、販売者エクセルマネジメント)は997万5000円(税込)で恵比寿興業(株)那須野牧場が落札している。

　(株)ジェイエスの藤原悟郎代表は「購買者の方々から注目されるような馬を揃えることができたので、多くの方にせりに参加していただき感謝しています。売上総額、売却率、平均価格いずれも前年を大きく上回ることができ、満足のいく市場になったと考えています」と納得の表情。「これからも繁殖セールの存在を馬主の方々に知らしめて、多くの方に盛り上げていただけるようにしたい」とさらなる発展に意を新たにしていた。

　なお、詳しいせり結果については(株)ジェイエスのホームページをご覧ください。http://www.jscompany.jp

　また、セール終了後にはエクセルマネジメントのプライベートセールが開催され、当歳、1歳あわせた8頭すべてを売却。総額1億941万円(税込)を売り上げた。最高価格はエリモピクシー2012(牝、父ディープインパクト)の7875万円(税込)。山本英俊さんが落札している。