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瑞穂賞はリアライズノユメが返り咲く

  • 2012年10月23日
  • 瑞穂賞を制したリアライズノユメ
    瑞穂賞を制したリアライズノユメ
  • ロングスパートで押し切った
    ロングスパートで押し切った
  • 462kgの馬体重で出走
    462kgの馬体重で出走
  • 喜びの口取り
    喜びの口取り
  • 優勝馬関係者の皆さん
    優勝馬関係者の皆さん

 門別競馬場ではホッカイドウ競馬の総決算、道営記念(H1)に向けての前哨戦、第45回瑞穂賞(H2)[エンパイアメーカー賞]が行われた。距離はダート1800m。

 今年は地元馬11頭、岩手から遠征馬イーグルビスティーを合わせた12頭が参戦。ホッカイドウ競馬転入後無敗のシャア、リアライズノユメを中心に、前走、道営スプリント(H2)を制して波に乗るシャイニングアワー、絶好調・五十嵐冬樹騎手操るカネマサゴールドらが票を集めた。

 レースは気合を付けてシャイニングアワーがハナを奪い、ニシノファイターが追いかけるように2番手、シャアが3番手、リアライズノユメも早め4番手の競馬。淀みのない流れで隊列は長くなり、中団でカネマサゴールド、エイシンダッシュが脚をためた。3コーナーをまわるとリアライズノユメが脚色良く進出して先頭へ。連れて人気のシャアも仕掛けるも、やや反応が鈍く、またたく間に差が広がる。直線に入るとリアライズノユメが一気にスパート態勢に入り、豪腕・坂下秀樹騎手のアクションに応えて独走。水をあけられた2番手以下のグループからはシャア、エイシンナナツボシ、ビューティーリヨが伸びるも、リアライズノユメが踏ん張り、2馬身の差をつけてゴールした。2着は8番人気のエイシンナナツボシ、3着には11番人気のビューティーリヨが食い込み、3連単は35万円台の波乱となった。勝ち時計は1分52秒8(重馬場)。

 優勝した坂下秀樹騎手は表彰式のインタビューで、「1番人気の馬をマークしてプレッシャーを与えればと思い、調教師の指示通り騎乗できました。最後までよく頑張ってくれましたね。やっぱり2歳時に交流重賞を勝っている馬ですし、牝馬の中では力が上だと思います。この調子で次走(道営記念)も勝ちを狙っていきます。周りのスタッフの力を借りながら、僕自身も頑張っていきますので、これからも応援宜しくお願いします。」と、話した。坂下騎手はカゼノコウテイとのコンビで制した2010年・瑞穂賞(H2)以来の重賞V。今年43歳となるベテランジョッキーで、10月9日には通算1,400勝を達成し、健在をアピールしている。

 リアライズノユメは日高町の三城牧場生産馬。門別競馬場に応援に駆けつけていた同牧場スタッフの梶原さんは、「2歳時以来となる重賞勝ちで、すごく嬉しいです。次走に向けても楽しみが膨らみましたね。育った頃はやんちゃで元気いっぱいの馬だったことを覚えています。」と、笑みを浮かべた。

 母のジョウノカトリーヌはサンデーサイレンス肌で、初仔マストハブがJRA・4勝をマークし、現在準オープンクラスで活躍している。同牧場では1歳に父バゴの牡馬、当歳に父キングカメハメハの牡馬が生まれており、「1歳は馴致を始めたところで、馬っぷりが良く、気性も素直です。当歳は体型の良さが目立っていますね。2頭とも期待しています。」と、梶原さんは紹介する。兄姉の素晴らしい活躍を受け、続くファミリーにも注目していきたい。

 2歳秋のエーデルワイス賞(Jpn3)、兵庫ジュニアグランプリ(Jpn2)に続く3つ目の重賞勝ちを決めたリアライズノユメ。門別コースはこれで4戦4勝とし、得意の舞台は定まった。3歳~4歳春までは苦戦を強いられたが、ホッカイドウ競馬移籍後は快進撃を続けており、目下、道営記念(H1)の台風の目となっている。