サンライズカップはジェネラルグラントが逃げ切る
秋深まり、北海道らしい寒さを増してきた門別競馬場では10月10日、2歳重賞・第12回サンライズカップ(H3)[ハーツクライ賞]が行われた。距離はダート1700m。
約1か月後に迫った交流重賞・北海道2歳優駿(Jpn3)を睨んで、牡馬10頭がエントリーした。人気の中心はぶっちぎりの勝利で2勝をマークしたアウトジェネラルと、JRA札幌遠征でも好走したジェネラルグラントで、ともにサンデーレーシング所有のノーザンファーム生産馬。2強ムードが漂う中、重賞で2着、3着とあと一歩の競馬が続いているアウターバンクス、イノセントカップ(H3)を逃げ切ったストーミングスターも票を集め、少頭数ながら素質・実績から目移りする顔ぶれが相まみえた。
レースはシップオブテセウスが出遅れ、対照的にジェネラルグラントがダッシュ良くハナへ。前走逃げたストーミングスターは2、3番手で折り合いをつけ、中団より前にアウトジェネラル、アウターバンクスが追走する。向正面、残り1000mあたりからシップオブテセウスがマクリ気味に上がり、快調に逃げるジェネラルグラントにプレッシャーをかけながら3、4コーナー。連れるように各馬仕掛け始め、ひしめき合って直線を向く。スパート態勢に入ったジェネラルグラントを目がけ、ストーミングスター、アウターバンクスらが追いすがる中、アウトジェネラルの伸び脚が目立ち、逃げるジェネラルグラントが応戦して同じ勝負服2頭の争いへ。最後は五十嵐冬樹騎手の叱咤激励に応えてジェネラルグラントが押し切り、アウトジェネラルの追撃を辛くも封じた。勝ち時計は1分49秒1(良馬場)。3着にはストーミングスターが重賞馬の意地を見せ、上位人気馬同士の堅い決着となった。
騎乗した五十嵐冬樹騎手は表彰式のインタビューで、「スタートが決まってすんなりと先行できましたし、道中はリラックスして走っていました。想定通りのペースでレースを進められて、最後は必至で追いました。優勝できて良かったです。これからもまだまだ成長する馬だと思いますので、応援宜しくお願い致します。」と、語った。現在、ホッカイドウ競馬リーディングトップを走る五十嵐騎手は、今季重賞5勝目。それも全て異なる馬による芸当とあって、手綱は冴えわたっている。管理する廣森久雄調教師は同レース初制覇を飾った。
ジェネラルグラントは父ロージズインメイ、母グリントウィーク、母の父スペシャルウィークという血統。母は2004年の札幌2歳S(G3)、2005年の共同通信杯(G3)を制したストーミーカフェの半姉にあたる。レース当日、門別競馬場に応援に駆けつけていた生産者・ノーザンファームの吉田勝己社長は、「強い競馬でしたね。南関東やJRAのダート競馬でも、十分通用する馬だと思います。」と、その頼もしい走りを見届けた。
なお、今回の競走は開始まもないJRAインターネット投票「地方競馬IPAT」の発売と重なり、この日のホッカイドウ競馬の売上は前日を7,000万円上回る2億2,374万5,500円を記録した。