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フローラルカップはカイカヨソウが制す

  • 2012年10月01日
  • 重賞2連勝を飾ったカイカヨソウ
    重賞2連勝を飾ったカイカヨソウ
  • 逃げ込みを図るハニーパイを競り落とした
    逃げ込みを図るハニーパイを競り落とした
  • 460kgの馬体重で出走
    460kgの馬体重で出走
  • 喜びの口取り
    喜びの口取り
  • 優勝馬関係者の皆さん
    優勝馬関係者の皆さん

 9月27日、門別競馬場では秋の2歳交流重賞に向けての牝馬重賞、第12回フローラルカップ(H3)[ジャングルポケット賞]が行われた。距離はダート1700m。

 今年は前走、ブリーダーズゴールドジュニアカップ(H1)で牡馬を破ったカイカヨソウを筆頭に、短距離・リリーカップ(H3)を制したハニーパイ、ダート1700mのスーパーフレッシュチャレンジ競走を出色のタイムで勝ち上がったザスパイスガール、JRA札幌・コスモス賞で道営馬最先着を果たしたシルバーストリークなど、有力牝馬が顔を合わせた。

 レースはハニーパイが逃げ、それを見るようにカイカヨソウ、シルバーストリークが続く。向正面に入ると隊列は落ち着き、全馬はそれほど差がなく、密集しながら3コーナーへと入る。勝負所でもハナを切るハニーパイと2番手カイカヨソウの手応え良く、対照的に後続勢は激しく手を動かして直線へ。満を持して前2頭が抜け出すところ、待ったをかけるように内からコルチナ、ピッチシフター、外からシルバーストリーク、トチノスカーレットが抵抗。どの馬が差し迫るかと思いきや、逆に前2頭が後続を引き離し、直線半ばは重賞馬2頭による一騎打ち。火花散る勝負は残り100mでカイカヨソウが競り落として、最後は3馬身差をつけてゴールした。勝ち時計は1分50秒4(やや重)。2着は初距離を克服して逃げ粘ったハニーパイ、コルチナが復調を感じさせる3着に健闘した。

 前走は逃げ切り勝ちで重賞を射止めたカイカヨソウ。今回は前に馬を置く競馬できっちり結果を出した。味な競馬をエスコートしたのは五十嵐冬樹騎手。「今回は道中2番手でレースを進めました。スローな流れでしたが、折り合っていましたし、最後追ってからもよく反応してくれましたね。デビュー戦でも乗せていただいた馬なのですが、その時よりも馬がしっかりしてきました。ちょっと繊細なタイプですが、素直で御しやすく、まだまだ成長してくれそうです。今後の活躍が楽しみですね。」と、表彰式のインタビューに答えた。現在、ホッカイドウ競馬リーディングトップを走る五十嵐騎手は、星雲賞(H2)、栄冠賞(H2)、赤レンガ記念(H2)に続いて今季重賞4勝目。10月には第26回ワールドスーパージョッキーズシリーズ・地方競馬代表騎手選定競走「スーパージョッキーズトライアル2012」に、北海道代表として出場する。

 カイカヨソウは安平町のノーザンファーム生産。門別競馬場に駆け付けていたノーザンファーム空港の菅谷清史獣医師は、「一戦ごとに力をつけていますね。追ってからもしっかり伸びていたし、安心して見ていられました。今後の成長も楽しみです。」と、振り返った。通算成績はこれで3戦3勝とし、重賞は2連勝。父はアドマイヤドン、ムガムチュウ、ボランタスなどを出したティンバーカントリーで、母系には忘れな草賞を制したドルチェリモーネがいる血統。同牧場生産馬で、一昨年のフローラルカップ優勝馬クラーベセクレタはその後東京ダービー馬に出世しており、今回の勝利で全国区となった先輩の背中に一歩近づいた。