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イノセントカップはストーミングスターが逃げ切る

  • 2012年09月18日
  • 優勝したストーミングスター
    優勝したストーミングスター
  • 逃げ切り勝ちを決めた
    逃げ切り勝ちを決めた
  • 返し馬の様子
    返し馬の様子
  • 喜びの口取り
    喜びの口取り
  • 優勝馬関係者の皆さん
    優勝馬関係者の皆さん

   残暑厳しい門別競馬場では9月13日、2歳重賞・イノセントC(H3)[クロフネ賞]が行われた。秋の交流重賞・エーデルワイス賞(Jpn3)、北海道2歳優駿(Jpn3)につながるステップで、出世レースの一つ。過去の優勝馬には北関東3冠馬・フジエスミリオーネや東京ダービー馬・アンパサンド、2011年NARグランプリ・2歳最優秀牡馬に輝いたゴールドメダルがいる。

   舞台となる門別ダ1200m戦に13頭が参戦。そのうちフレッシュチャレンジ競走優勝馬は9頭で、将来性を感じさせる素質馬が対決した。1番人気はロージズインメイ産駒のアウターバンクスで、デビュー2戦目の前走・重賞2着が高く評価された。今年の新馬勝ち第1号で、道営では底を見せていないミータローが2番人気。以下、7馬身差の圧勝デビューが光るマヒナズヒル、OP戦で評判馬に食い下がったストーミングスターが票を集めた。

   レースはフォリッド、アウターバンクスが出負けして後方から、逃げ争いは同型馬が揃う中、ストーミングスターが制した。2番手以下はひとかたまりで、人気のミータロー、アウターバンクス、マヒナズヒルは先団~好位追走。内を通る馬が苦戦の馬場傾向とあって、ストーミングスターは馬場の3分どころ、4分どころを通る。更に外目からトチノスカーレット、マヒナズヒル、ホリノケイが続き、ミータロー、アウターバンクスは外からフタをされるようなかたちで直線へ。桑村真明騎手のステッキが入ったストーミングスターはリードを広げ、小細工なしの逃げ切り態勢。先団グループも必死に抵抗したが、長い直線も何のその、ストーミングスターの脚色は鈍ることなく、ゴールまで確かな走りで完封した。2着は直線でしぶとく伸びたトチノスカーレット、3着はアウターバンクスがミータローとの叩き合いを制した。結果的には逃げ・先行馬による決着で、勝ち時計は1分13秒3(稍重馬場)。同じくダ1200mで行われたアンダーカード、古馬Bクラス特別戦より0.5秒早い時計となった。

   騎乗した桑村真明騎手は表彰式のインタビューで、「スピードがある馬なので、すんなりハナに行けました。そのまま楽に折り合いがついたし、気持ち良くレースができました。最後は無我夢中で追いました。ゲートが上手いし、良いスピードがありますね。これからも応援宜しくお願いします。」と、喜びを語った。桑村騎手は昨年、イッシンドウタイで制したサンライズカップ(H3)以来の重賞制覇となった。

   ストーミングスターの生産は新ひだか町のグランド牧場。アメリカ産の母ナナツボシは現役時代3勝し、繁殖牝馬としては初仔イチバンボシ(牡4歳、父スマートボーイ)が道営、南関東で現5勝。2歳時に挑んだ南関東の重賞・平和賞では果敢に先行し、4着に入っている。門別競馬場まで応援に駆けつけていた同牧場の伊藤佳幸社長は、「素晴らしい走りでした。半兄のイチバンボシもそうでしたが、良いスピードがありますね。今後が楽しみです。」と、喜びを語っていた。日本では京王杯2歳S(G2)2着のサドンストームらを送り出している父ストーミングホームにとっては、福山3歳牝馬特別を制したミッドコサージュに続き、2頭目の産駒重賞ウイナー誕生となった。

   なお、この競走は朝日杯フューチュリティS(G1)の北海道ブロック代表馬選定競走で、優勝したストーミングスターは秋にJRAで行われるデイリー杯2歳S(G2)・京王杯2歳S(G2)、東京スポーツ杯2歳S(G3)のいずれかに出走できる。