王冠賞はニシノファイターが完勝、2冠達成
8月23日、門別競馬場ではホッカイドウ競馬3歳3冠ロード最終戦、第33回王冠賞(H2)[ストーミングホーム賞]が行われた。距離は長丁場、ダート2600m。
今年はホッカイドウ競馬のダービー・北海優駿(H1)優勝馬ニシノファイターを含めた8頭がエントリー。単勝1.3倍の支持を集め、2冠制覇へリーチをかけるダービー馬に対し、JRAから転入後3連勝中のマクロバニヤン、北海優駿(H1)2着のアベニンプレジャー、大井から遠征してきたコスモアンノーンらが、待ったをかける刺客として票を集めた。
初距離の馬が多い組み合わせで、予想通りレースはどの騎手も抑え込みながらの流れ。押し出されるようにニシノファイターが先頭に立ち、7頭を引き連れてホームストレッチへと入る。コスモアンノーン、マクロバニヤン、アベニンプレジャーが先団~好位につけ、最初の1000m、次の1000mまでゆったりしたペースを進む。残り600mからピッチが上がり、4コーナー手前では全頭固まって直線へ。手応え十分にギアチェンジしたニシノファイターが横綱相撲をとるべく力強く伸び、すかさずアベニンプレジャーが食い下がって、最後は2頭の争い。最初にゴールに飛び込んだのは、貫録の栗色の馬体、ニシノファイター。終始、目標とされながらも力でねじふせ、ライバルの反撃を許さなかった。ロスなく立ち回って肉薄したアベニンプレジャーが2着、最後方待機のゲンキが3着に食い込んだ。勝ち時計は3分3秒0(良馬場)。
優勝した小国博行騎手は表彰式のインタビューで、「初めて逃げる競馬になりましたが、どこから競馬をしても負けないと思っていました。2000m戦の時は掛かっていましたが、ハナに立った今回は道中フワフワしていて、楽に行けましたね。前走では古馬とのオープン戦で勝ちましたし、強くなっています。これからも一つ一つ勝っていきたいです。応援宜しくお願いします。」と、自信に満ちた様子。小国騎手はニシノファイターとのコンビで重賞3勝目。管理する堂山芳則調教師は2000年のクラキングオー、2001年のミヤマエンデバー、2010年のクラキンコに続き、同レース通算4勝目を飾った。
ニシノファイターの生産は新ひだか町三石のニシケンファーム。門別競馬場に駆け付けた同牧場スタッフの成田聖さんは、「前走に引き続き強い競馬をしてくれましたね。改めて能力の高さを感じました。パドックでは落ち着いていましたし、成長を感じます。今後もケガなく、一戦一戦を大事に走って欲しいです。」と、感想を語っていた。同牧場ではニシノファイターの半妹となる当歳(牝、父マンハッタンカフェ)が誕生しており、成田さんは、
「順調に育っています。立派な牝馬ですよ。」と、将来を楽しみにしている。
見事、ホッカイドウ競馬2冠馬に輝いたニシノファイター。これで今季負けなしの4連勝で、フォーティナイナーズサンの代表産駒となる実績を築いている。2歳12月に出走した交流重賞、全日本2歳優駿(Jpn1)ではオーブルチェフの8着に敗れたが、力をつけた今なら、交流重賞でも恥ずかしくないレースができるのではないか。ホッカイドウ競馬3歳世代トップホースとして、伸び盛りの走りが頼もしい。