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ノースクイーンカップはショウリダバンザイが3連覇

  • 2012年07月27日
  • 見事に差し切ったショウリザバンザイ
    見事に差し切ったショウリザバンザイ
  • 序盤はクラキンコが逃げる展開
    序盤はクラキンコが逃げる展開
  • パドックではパシファイヤーを着用
    パドックではパシファイヤーを着用
  • 喜びの口取り
    喜びの口取り
  • 優勝馬主は林和弘調教師の父、林正夫氏
    優勝馬主は林和弘調教師の父、林正夫氏

 門別競馬場ではGRANDAME-JAPAN2012シリーズの重賞、第11回ノースクイーンカップ(H2)[ワークフォース賞]が行われた。距離はダート1800m。

 今年の出走馬は11頭で、重賞らしい好メンバーが揃った。注目は前走、星雲賞(H2)を連覇した3冠馬クラキンコと、一昨年、昨年のこのレース覇者であるショウリダバンザイの地元牝馬ツートップ。対戦成績は4勝4敗の五分で、今回も2頭が単勝2倍台で人気を分けた。2強に待ったをかける馬も粒ぞろいで、前走、赤レンガ記念(H2)で牡馬に肉薄したサクラサクラサクラ、エトワール賞(H3)を2連覇したプリティゴールド、戸塚記念(S3)優勝馬ハーミアのほか、他地区・兵庫からは昨年のGRANDAME-JAPANシリーズ-3歳シーズン優勝馬のマンボビーンも遠征してきた。

 前日の濃霧とは一変して、すっきりとした天候のもと、レースはスタート。序盤は横綱相撲をとりにいくかのようにクラキンコが主導権を握り、快速プリティゴールドが2番手に控える。サクラサクラサクラは先団で息を入れ、マンボビーンは中団で抑えながらの追走。ショウリダバンザイは後方3番手から前を見据える。3コーナーに入ると人気のクラキンコがよもや捕まり、プリティゴールド、サクラサクラサクラが前へ。経済コースからスルスルとマンボビーンも進出し、ショウリダバンザイも外から忍び寄って直線へ。

 抜け出したのはサクラサクラサクラで、吉田稔騎手の左ムチに応えてリードを広げる。猛然と迫ったのはショウリダバンザイ。ゴール板に近づくにつれて脚色が冴え、最後は2頭馬体を併せてのフィニッシュ。ゴールの瞬間は「どちらが勝ったのか?」と、場内は騒然となったが、長い写真判定の末、軍配はショウリダバンザイに上がった。勝ち時計は1分57秒1で、史上初のノースクイーンカップ3連覇達成。僅差敗れたサクラサクラサクラは2戦連続の重賞2着となったが、当日の外差しの効く馬場を考えると、負けて強しの内容といえよう。3着争いはビューティリヨが同世代のマンボビーンに競り勝ち、2番人気に推されたクラキンコは7着に失速した。

 騎乗した井上俊彦騎手は表彰式のインタビューで、「外から届く馬場状態になっていたので、できるだけ外から末脚に賭けるつもりで騎乗しました。3、4コーナーからハミを噛んでくれて直線でもしっかりと伸びてくれましたね。ゴール前では先頭の馬が粘っていたので、ちょっと微妙でしたが、差し切ってくれて良かったです。3連覇を達成できて嬉しいです。」と、喜びを語った。現在、ホッカイドウ競馬リーディング第11位の井上騎手は今年初の重賞V。昨年は門別、岩手で重賞を5勝している。

 ショウリダバンザイの生産は浦河町の山口義彦さんの牧場。門別競馬場まで応援に駆けつけていた山口さんは、「際どい勝負で直線はハラハラしましたが、優勝できて嬉しいです。牧場時代は目立つタイプではありませんでしたが、強い馬になりましたね。この勝利で弾みをつけて、これからも頑張って欲しいです。」と、胸を高鳴らせた。同牧場ではショウリダバンザイの半妹となる1歳馬(父ワイルドラッシュ)が順調に育っており、山口さんは“楽しみな存在”と期待をかけている。