セレクトセール当歳が開催される
「セレクトセール2012」の2日目。7月10日は当歳セールが行われた。
この日は上場頭数211頭(牡156頭、牝55頭)のうち、158頭(牡110頭、牝48頭)が売却され、売却率は74.9%を。総売上は48億4,370万円(税抜、以下同)で、売却率、平均価格(3,065万円)売上総額ともに前年を上回る結果となった。
最高価格馬は2008年のフリゼットS(米G1)の勝馬でブリーダーズCジュベナイルフィリーズ(G1)3着馬の初仔になる「スカイディーバの2012」(牡、父ディープインパクト)。鑑定人が7,000万円のお台を告げると、購買者から1億5,000万円の声がかかり、場内がどよめきに包まれる。その後は1,000万円単位のビットが続き、結局、2億5,000万円で里見治氏が落札した。同氏は「馬格に恵まれたディープインパクト産駒で、オーラを感じた。この馬が1番だと思いました」とコメント。集まった報道陣を前に、ディープインパクトを管理した池江泰郎氏と、入厩を予定している池江泰寿調教師とともに写真に収まっていた。
これに続いたのはダービー馬ディープブリランテの全妹「ラヴアンドバブルズの2012」(牝、父ディープインパクト)。「性別こそ違え、兄ディープブリランテによく似ていることと、兄同様に馬格にも恵まれていること」という生産牧場からのコメントが読み上げられると、7,000万円からせりはスタートした。序盤は様子見ムード。200万円単位でのせりあげとなった。会場のあちらこちらから声がかかり、ゆっくりとだが、確実にジリジリと値段が付けられていく。1億円を超えてからは500万円単位。購買者のプライドとプライドがぶつかり5分以上に及んだせりは、ハンマーの音が鳴り、外国人購買者ポールファッジ氏の登録番号が場内に告げられて終わりを告げた。1億4,500万円だった。
そして、2日間のせりを締めくくったのは追加上場された「ケアレスウィスパーの2012」(牡、父ハービンジャー)。せりのラストは恒例のノーリザーヴ。最低落札価格は設定されずに、コールがとまった時点での取引となる。「ひと声おかけください」という鑑定人の声に「1,000万円」というコールがかかる。しかし、ひと声なんかで終わるわけもない。「2,000万円」「3,000万円」と一気にせりあがり、その後は100万円単位の声が会場のあちらこちらから飛び交う。2日間に及んだせりの最後を惜しむかのように多くの購買者が声をあげているようだ。いつの間にかコールが200万円単位となり、1億円を超えると500万円単位に。最後は、近親にあたるカンパニー、ヒストリカルを所有する近藤英子オーナーが1億3,500万円で落札した。
2日間の総売上は102億9,630万円。セレクトセールが2日間開催となってからの100億円超えは初めて。1億円超えは10頭。うち8頭がディープインパクトの産駒だった。
セール終了後、吉田照哉市場長は「こんな結果を予想していた人はいなかったと思います。ディープブリランテに代表されるようなディープインパクト産駒の活躍も市場を支えたと思いますし、たくさんの購買者がせりに参加しやすい環境を作ってくれたと思います。また、新しい馬主さんが多数参加いただいたことで、幅広い価格帯でせりが盛り上がったと思います。購買者の方に足を運んでいただいたこと、良質馬の上場、鑑定人の進行、すべてがうまくいった結果だと思います」と満面の笑みで2日間を締めくくった。