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栄冠賞は牝馬シーギリヤガールが快勝

  • 2012年07月02日
  • 2歳重賞一番乗りを決めたシーギリヤガール
    2歳重賞一番乗りを決めたシーギリヤガール
  • 直線で鮮やかに抜け出した
    直線で鮮やかに抜け出した
  • パドックでは落ち着いた様子で周回
    パドックでは落ち着いた様子で周回
  • 喜びの口取り
    喜びの口取り
  • 優勝馬関係者の皆さん
    優勝馬関係者の皆さん

 4月の開幕以降、毎週2歳戦を組んでいる門別競馬場では、全国に先立って2歳重賞のTVh杯栄冠賞(H2)[シンボリクリスエス賞]が行われた。距離はダ1200m。

 今年のメンバーは牡馬3頭、牝馬7頭の10頭で、勝ち馬には函館2歳S(G3)への出走機会が与えられる。1番人気はデビュー戦を大差勝ちしたアウトジェネラルで、単勝オッズ1.5倍の断然の支持。続いて、強烈な決め手が光るハーツクライ産駒のコルチナ、好時計で初勝利を決めたシーギリヤガール、新種牡馬ブラックタイドが送るラブキンゾウらが票を集めた。例年、ハイレベルのメンバーが集まる重賞とあり、パドックでは2歳馬らしからぬ馬っぷり、落ち着きのある馬ばかりで、今年も出世レースの予感を大いに漂わせた。

 レースはややバラついたスタートから始まり、とりわけ内枠のラブキンゾウ、ベルフォーラヴ、コパノエクスプレス、アウトジェネラルが出負けした。ダッシュ良くマンボマーチが逃げ、ニイカップクイーン、シーギリヤガールが2、3番手。人気のアウトジェネラル、コルチナは中団より前の位置でレースを進める。3、4コーナーにかけて軽快に逃げるマンボマーチにシーギリヤガールが楽な感じでプレッシャーをかけ、対照的にアウトジェネラルは手を動かしながら先団へ。直線ではマンボマーチが再び突き放しにかかるも、五十嵐冬樹騎手のステッキに応えてシーギリヤガールが鋭く抜け出して先頭に立つ。外からアウトジェネラルが猛追を図るも差は詰まらず、シーギリヤガールが見事なスピードでライバルを完封した。勝ち時計は1分14秒1。2着は2馬身差でアウトジェネラルが入り、後方から末脚を伸ばしたベルフォーラヴが3着に食い込んだ。

 騎乗した五十嵐冬樹騎手は表彰式のインタビューで、「能力検査の時から素質の高さを感じていました。強いメンバーが揃っていましたが、スタート良く、道中は折り合いに気を付けて乗りました。逃げ馬の後ろでゆったりと行けて、息も入りました。追ってからの反応も良かったです。胸を借りるつもりの立場でしたが、勝てて本当に嬉しいですね。これからも応援宜しくお願いします。」と、喜びを語った。五十嵐騎手はクラキンコの星雲賞(H2)に続いて今年重賞2勝目。管理する齊藤正弘調教師は、重賞初出走・初勝利という離れ業を達成した。

 シーギリヤガールは日高町の新生ファーム生産馬。父はJBCスプリント(G1)優勝馬のスターリングローズで、母スパイシーキティにとって初仔となる。祖母にはダービー卿ChT(G3)を制したオギティファニーがいる血統。牧場の方も多数応援に駆け付けており、「優勝できて嬉しいです。牧場時代のシーギリヤガールは大人しくて、物おじしない馬でした。今日の走りで函館2歳S(G3)が楽しみになりましたね。祖母は芝短距離の重賞馬ですし、芝もこなせるのではと思います。」と、笑顔を見せていた。同牧場にはシーギリヤガールの半弟となる1歳馬(牡 父ローエングリン)が順調に育っているという。

 栄冠賞(H2)が終了し、来る函館2歳S(G3)へ切符を掴んだホッカイドウ競馬所属馬が出揃った。対象馬はシーギリヤガールのほか、6月14日のウィナーズチャレンジ競走(ダ1000m)を制したミータロー(父プリサイスエンド)、6月27日のウィナーズチャレンジ競走(ダ1700m)を制したジェネラルグラント(父ロージズインメイ)の3頭。2007年のハートオブクィーン以来となるホッカイドウ競馬所属馬による制覇に期待がかかっている。