北海優駿はニシノファイターが優勝
今週は“ダービーweek”として、3歳馬によるダービーが各地で行われている。6月5日は門別競馬場を舞台に北海道のダービー、第40回北海優駿(H1)[ディープスカイ賞]が行われた。
ダート2000m戦に11頭が参戦。第1冠・北斗盃を制したロクイチスマイルこそ不在となったが、2歳重賞・鎌倉記念(S3)の勝ち馬ニシノファイター、北斗盃の2着馬フレンズアート、同3着馬ハイタッチといった実績馬が駒を進めた。
馬場状態は良。スピードだけでは押し切れない条件から、レース序盤はどの騎手も控えにまわり、流れはスロー。発馬後に掛かったハイタッチが押し出されるように逃げ、1番人気ニシノファイターが2番手、淡々とレースは進む。勝負所から流れが速くなると、各騎手ステッキを入れて応戦。その中で一頭だけ楽な手応えで回ってきたのがニシノファイターで、激しく手が動くライバルを尻目に、直線入り口先頭に立つ。そこから突き放すかと思いきや、逃げていたハイタッチが二枚腰を発揮し、ゲンキ、アベニンプレジャー、ゴードンバージも強襲。直線は見ごたえある追い比べとなったが、ニシノファイターの踏ん張りが勝り、2着に4分の3馬身差をつけてゴールした。大激戦の2着にはアベニンプレジャー、3着はハイタッチが食い下がった。勝ち時計は2分12秒1(良馬場)。
騎乗した小国博行騎手は表彰式のインタビューで、「南関東の早いペースに慣れていたので、道中少し掛かり気味でした。競られると強いタイプなので、早めに先頭に立ってどうかと思いましたが、最後までよく頑張ってくれました。古馬と戦っても好勝負をしてくれると思いますよ。」と、安堵の表情で語った。小国騎手は今年重賞初制覇で、昨年は同馬とのコンビで制した鎌倉記念(S3)のほか、クラキンコと共にコスモバルク記念(H2)、星雲賞(H2)を制している。管理する堂山芳則調教師は北海優駿(H1)4連覇の偉業を達成した。
ニシノファイターは父フォーティナイナーズサン、母ローレルセレナーデという血統で、新ひだか町三石のニシケンファーム生産馬。半兄に高知3冠馬のグランシングがいる。門別競馬場へ応援に駆けつけていた同牧場スタッフの成田聖さんは、「優勝できてとても嬉しいです。牧場にいた頃から迫力ある動きが目立ち、素質を感じさせました。これからも体を大事にして、古馬相手にも勝利を期待しています。」と、喜びを語っていた。
同牧場では母ローレルセレナーデが繁殖生活を続けており、今年は父マンハッタンカフェの牝馬が生まれている。