道営クラシック第1弾の北斗盃は牝馬ロクイチスマイルが快勝
4月25日、門別競馬場ではホッカイドウ競馬の3歳クラシック第1弾、北斗盃(H2)[ヨハネスブルグ賞]が行われた。
スピードとパワーを求められる門別ダート1200mの舞台に14頭が参戦。開幕初日のレースとあって出走馬の多くは休み明けで、馬体重は大幅増減が目立っていた。1番人気は昨年のエーデルワイス賞(Jpn3)3着、兵庫ジュニアグランプリ(Jpn2)4着と交流重賞で好走歴が光るロクイチスマイルで、牡馬を押しのけて単勝2倍台の高い支持を受けた。2番人気はメンバー中唯一オープン勝ちがあるゲンキで、以下、大差勝ちのデビュー内容が濃いアテーナ、シルクメビウスの半弟ハイタッチらが票を集めた。
レース序盤はダッシュ良くアテーナが逃げ、バイスミニスター、ゲンキが先行。前を射程圏に入れながらロクイチスマイルが好位をとり、ハイタッチは前走からの距離短縮が影響してか、後方3番手から追い上げる形となった。残り400mに差しかかったところで、主導権を握るアテーナ以下数頭がひしめき、団子状態で直線へ。横一戦に広がった中、スムーズに前へ押し上げてきたロクイチスマイルが抜け出して先頭に立つと、ぴったりとマークしていたフレンズアートと外目から末脚勝負に賭けたハイタッチが強襲し、ラストは3頭の争いへ。このまま競り合いになるかと思われたが、服部茂史騎手の渾身のムチに応えてロクイチスマイルが踏ん張り、2頭の追撃を振り切ってゴールした。勝ち時計は1分14秒5(やや重)。2着は約8か月ぶりの実戦となったフレンズアート、終いは止まったがハイタッチが大胆な競馬で3着に食い下がった。
騎乗した服部騎手は表彰式のインタビューで、「これまで勝てそうで勝てなかったので、今年最初の一戦は勝ちたいと思っていました。この馬にしては前々の競馬ができましたし、直線で少しモタついたけど、後から馬が来たらまたハミを取ってくれました。昨年も頑張ってくれましたが、今年は北海道を代表する馬にしたいです。」と、期待を込めて話していた。服部騎手は昨年重賞を5勝し、リーディングトップに輝いている。今年も幸先良いスタートを決めた。
ロクイチスマイルは父クロフネ、母マベルチェリー、母の父Kenmareという血統の牝馬。生産者はマヤノトップガン、ナリタタイシン、ブルーコンコルドらで知られる新冠町の川上悦夫氏。母はオーストラリア産馬で、祖母Delightful Belleはオーストラリアの重賞を4勝している。10番仔となるロクイチスマイルは母にとって最後の仔で、待望の重賞馬が誕生した。
これまで1勝馬だったことが不思議なぐらいの堂々たる走りで重賞制覇を飾ったロクイチスマイル。昨年のJRA遠征では後の重賞馬シェアースマイルと僅差の勝負をしており、今後も地元を飛び出しても太刀打ちできる逸材だろう。距離適性から当面は短距離重賞を歩むようだが、全国に通用するホッカイドウ競馬のクラシックホースとして、飛躍の一年を迎えて欲しい。