2012JRAブリーズアップセールが開催
昨年の新潟2歳S(G3)を制したモンストールや今年の桜花賞(G1)5着馬メイショウスザンナの出身セールとして知られる「JRAブリーズアップセール」が4月24日、JRA中山競馬場で開催された。JRAの専門購買官が全国の1歳市場で購入した79頭を日高、宮崎の両育成場で調教し、この舞台に間に合った71頭(牡34頭、牝37頭)に加えて、JRA日高育成牧場で生産された3頭(牡2頭、牝1頭)の74頭(牡36頭、牝38頭)が上場。そのすべてを売却した。総額728,658,000円(税込、以下同)で、前年を1億円以上も上回った。
牡馬の平均価格は9,913,750円で、牝馬は9,783,236円。
最高価格はダイワメジャーの牝馬「レディインディの10」の42,000,000円。騎手候補生を鞍上に12.7-11.8をマークし、宮城県の島川隆哉氏が購入した。次いでネオユニヴァースの牝馬「ヒットザボードの10」の37,275,000円、ステイゴールドの牡馬「キタサンバースデーの10」の31,500,000円と続いた。
昨年は大震災直後ということもあって沈滞ムードのセールとなったが、今年のブリーズアップセールは即戦力を求める176名(前年比31名増)の購買登録者があり、盛りあげた。「安心して参加できる、わかりやすい市場」として徹底的な情報開示と比較的、低価格からのお台付け。そんな市場スタイルはすっかり浸透したようだ。
前日は雨にもかかわらず、多くの購買者、購買代理人が展示会場に足を運んで厳しいチェックを行うことができた。午前中に行われた騎乗供覧はテンポ良く行われ、最終チェックの場となる比較展示は少頭ずつ、多くの班に分けて行った。これらはすべて、購買者のためだった。
結果、ほとんどの馬に複数のバイヤーから声がかかり、活況な市場が展開された。2年ぶり3度目の完売セール。これから続くサラブレッドセールにとっても心強い市場となった。
セール終了後、益満宏行JRA馬事部生産育成対策担当理事は広報を通して「本年も多くの皆様にご参加・ご購買いただきましたことに対し、心よりお礼申し上げます。これまで継続して情報開示への取り組みを実施してきたことが、高い透明性をもつセールとして、皆様に安心してご参加いただくことにつながったものと感謝しております。また、本年のブリーズアップセールでは「新規馬主限定セッション」を実施いたしました。JRAでは今後とも新規馬主の方をはじめ、皆様がせり市場へ参加しやすい環境づくりに取り組んでまいります。最後に、本日購買された馬たちが、順調にデビューを迎え、ファンの皆様に愛される存在に育ってくれることを願っております。」とコメントした。