キンシャサノキセキの初年度産駒が誕生
2010年、2011年の高松宮記念(G1)を制したキンシャサノキセキ(牡9歳)の初年度産駒が3月20日、新冠町の秋田牧場で誕生した。
元気一杯に放牧地を走り回る当歳っ仔は芦毛の牝馬。母エーピーサルート(牝14歳)は現役時代にダート短距離でJRA5勝を挙げた快速馬、半兄アドマイヤネアルコはJRA2勝の現役馬、おじエーピーバーストはエルムS(G3)2着馬という血統を持つ。
「最初は違う種牡馬を配合するつもりだったのですが、種付けに行ったらキンシャサノキセキが種牡馬入りしたと聞いたので、実馬を見せてもらいフジキセキらしい体型が気に入り、急遽予定を変更しました。しっかりとした良い産駒が生まれましたね。父母とも短距離で活躍したので、スピード豊かなスプリンターに育ってくれたらうれしいですね」と壮大な夢を語るのは秋田牧場の秋田俊彦社長。軽快なフットワークを見せる愛娘を優しい目で見つめていた。
キンシャサノキセキは父フジキセキ、母ケルトシャーン、母の父プレザントコロニーという血統。フジキセキがオーストラリアにシャトルされた時に種付けされ生まれた南半球産馬となる。
2005年12月の中山でデビュー勝ちを収めると続くジュニアCも連勝。3歳の暮れからは重賞競走の常連として堅実なレースを重ね、2008年の函館スプリントS(Jpn3)で重賞初制覇を果たした。その後、2009年のスワンS(G2)、阪神C(G2)、2010年のオーシャンS(G3)、高松宮記念(G1)と重賞4連勝で初のG1タイトルを獲得。さらに2010年の阪神C(G2)を連覇するなど2010年の短距離界で圧倒的な強さを見せ、JRA最優秀短距離馬に選出された。2011年は高松宮記念(G1)連覇を達成。スプリントG1連覇を花道に現役を引退した。通算成績は31戦12勝。獲得賞金は7億8530万6000円。
昨年3月末に安平町の社台スタリオンステーションで種牡馬入り。4月からの種付け開始だったにもかかわらず、154頭もの繁殖牝馬を集め、種付け休業中だった父フジキセキの代役を見事に務め上げた。
供用2年目を迎えたキンシャサノキセキの種付料は150万円(受胎条件)。生産地ではフジキセキ系の発展を担う後継種牡馬として、大きな期待が掛けられている。