馬産地ニュース

第18回装蹄競技大会が行われる

  • 2012年03月28日
  • 燃え上がるコークスの炎を背に蹄鉄作製に取り組む選手達
    燃え上がるコークスの炎を背に蹄鉄作製に取り組む選手達
  • ヤスリをかけて蹄を削る削蹄。ミリ単位の仕事が求められる
    ヤスリをかけて蹄を削る削蹄。ミリ単位の仕事が求められる
  • 厳正な審査をする競技審査委員。緊張の瞬間だ
    厳正な審査をする競技審査委員。緊張の瞬間だ
  • 表彰を受ける2連覇を達成した大東正史さん
    表彰を受ける2連覇を達成した大東正史さん
  • 8名の選手が25分の制限時間でつくり上げた単独造鉄
    8名の選手が25分の制限時間でつくり上げた単独造鉄

 3月27日、浦河町の日本中央競馬会日高育成総合施設軽種馬装蹄所において、北海道日高装蹄師会(武田英二会長、会員75名)の主催による「第18回装蹄競技大会」が行われた。

 この大会は10月に栃木県宇都宮市で行われる全国装蹄競技大会の予選を兼ねたもの。競技も全国大会に準じたもので、1本の鉄の棒(3分6鉄桿)を用いて前後各1個の蹄鉄をつくる「単独造鉄(新標準蹄鉄07タイプ)」、判断用馬の歩様や蹄の状態などを見て装蹄方針などを記入する「装蹄判断」、競技用馬の装蹄用の造鉄前後各1個を作製して装蹄を施す「装蹄」の3種目となっている。

 馬産地・日高の装蹄師は日頃から、繁殖牝馬、当歳馬、1歳馬、育成馬、現役競走馬と様々なステージの馬に接するため、幅広い知識や技術を持っている。昨年はこの大会を経て全国大会へ出場した中館敬貴さんが、最優秀賞となる農林水産大臣賞を受賞。日高に初めて優勝旗を持ち帰った。

 今年は8名の若手中堅の装蹄師が参加。審査委員が鋭い目を光らせる中、与えられた課題を懸命に取り組んだ。

 厳正な審査の結果、装蹄判断、単独造鉄で最高得点を記録した、浦河町の大東正史さんが総合優勝。大東さんを含めた上位4名が全国大会への出場権を得た。

 表彰式では大会長を務めた武田会長が「技術の修得には長い時間がかかります。今日身につけたこと、失敗したことを忘れずに、選手達は順位に関係なく胸を張ってほしい」と挨拶。審査委員長を務めた渡辺吉男日本装蹄師会装蹄教育センター長は各競技を講評し「10月の全国競技大会では自ら造鉄し、装蹄することが基本であることを念頭に、どのような装蹄にも対応できるよう心掛けて、今後も日々の鍛錬や練磨を重ねてほしい」。来賓で出席した池田拓浦河町長は「馬の文化、産業が根付いているからこその大会。皆様は生産者の大切な財産を守るという使命を持って日々努力されていると思います。軽種馬業界は大変な時代ですが、皆様の仕事と同じように脚元から立て直していきたい」と激励した。

 昨年に続き2度目の優勝となった大東さんは「昨年は震災の影響で欠場者が出ての優勝でしたが、今回は8名フルで競っての優勝なので余計に嬉しいです。昨年優勝した自信やアメリカの大会に出て経験を積んだおかげで、終始落ち着いて競技に取り組めました。全国大会でも北海道の代表として優勝目指して頑張りたいです」と笑顔を見せていた。

結果は下記の通り(敬称略)
総合
優勝 浦河町・大東正史
準優勝 浦河町・豊巻亮
3位 苫小牧市・伊澤昭仁
4位 安平町・森野健太 

部門賞
単独造鉄(新標準蹄鉄07タイプ) 浦河町・大東正史
装蹄判断 浦河町・大東正史
装蹄 浦河町・豊巻亮