馬産地ニュース

岡田繁幸氏の講演会が行われる

  • 2012年03月12日
  • 満員の人であふれた会場
    満員の人であふれた会場
  • 開会のあいさつをする土居会長
    開会のあいさつをする土居会長
  • 熱弁に多くの生産者が耳を傾けた
    熱弁に多くの生産者が耳を傾けた

 ビッグレッドファームグループ代表の岡田繁幸氏が3月7日夜、新ひだか町三石本桐の基幹集落センターで「これからの軽種馬生産」と題した講演会を行った。主催したのは三石軽種馬生産振興会。

 同生産振興会の土居忠吉会長は「岡田さんはこれまでコスモバルク、マイネルレコルト、マイネルセレクトと三石産馬から活躍馬を送り出し、三石産馬の名声を高めていただきました。厳しい現状にさらされている生産界ですが、今日は今後、取り組むべき課題、進むべき方向性のヒントなどをご提案いただきたいと思います」とあいさつした。

 そうした会長のあいさつを受けるように岡田氏は低迷する生産界を活性化させるためには「JRAの厩舎制度改革」「市場の活性化」「馬主登録制度の見直し」「強い馬づくり」が必要だと訴えかけ、努力したものが報われるようなシステムづくりが業界の活性化には不可欠だと説いた。若い世代に対しては「サラブレッドは自分が骨折してもそれに気が付かないで走り続ける究極のアスリート。そんなアスリートを手掛けているということを自覚し、サラブレッドに恥じないような馬づくりが求められる」と励ました。

 また、軽種馬生産をスタートさせたばかりの頃の自己経験を交えて「自分の最初の牧場はせまくて夜間放牧ができなかった。そのために追い運動でカバーした」とアドバイス。マーケットブリーダーが多い日高の事情を考慮しながらも、丈夫な馬づくりに運動量の確保は不可欠だと語った。

 また、その一方で「種を制するものは、業界を制する」という言葉を引用し「日本が世界のトップレベルになったのはサンデーサイレンスという究極の種牡馬を導入できたから」と発言。現在、日本という枠を超えて世界にその血を広げているサンデーサイレンスの優秀性を改めてアピールした。「それでも、ディープインパクトやキングカメハメハを超える種牡馬を探そうと世界中を探しているが、見つからない。肩を並べるとまでは言えないが、せめて近づける馬を探そうと現役馬も含めて探している」と意欲を見せている。「社台グループに対抗という意味ではなく、来るべき本格的な国際化時代を見据えて世界に対抗できる馬づくりの準備が必要。そういう馬を導入できた際には、ぜひみなさんにもご協力いただきたい」と協力を呼びかけて笑いを誘っていた。

 講演終了後には、参加者から生産地に購買者層を呼び込む方法や市場のあり方などについての質問があり、それらに対しても、丁寧に答えていた。