馬産地ニュース

優駿スタリオンステーションで種牡馬展示会が行われる

  • 2012年02月21日
  • 新種牡馬ベーカバド
    新種牡馬ベーカバド
  • ケープクロス日本最初の後継種牡馬としての期待も高いベーカバド
    ケープクロス日本最初の後継種牡馬としての期待も高いベーカバド
  • マーベラスサンデー
    マーベラスサンデー
  • マヤノトップガン
    マヤノトップガン
  • 大トリを務めたファスリエフ
    大トリを務めたファスリエフ
  • 展示会の様子
    展示会の様子

 同じ新冠地区のビッグレッドファームと、07年以来の同日開催となった今年の優駿スタリオンステーションの種牡馬展示会。先にビッグレッドファームで行われた種牡馬展示会を見てから駆けつけた生産者に加え、新種牡馬ベーカバドを見に来たという生産者も足を運び、駐車場は展示開始前に一杯となった。

 この日は15頭の種牡馬が展示されたが、そのトップバッターとして姿を見せたのはベーカバド。展示の最中には優駿スタリオンステーションの社長である橋本正光さんが挨拶に立ち、「昨年の12月にフランスへ実馬を見に行ってきたのですが、この皮膚の薄さと柔らかい動きを見て導入を決意しました」とコメント。ベーカバドは現役時に11戦6勝。2歳時は3連勝でシェーヌ賞(G3)を勝利と仕上がりの良さを見せ、3歳時にもパリ大賞典(G1)を優勝。ニエユ賞(G2)では、その年の皐月賞(G1)を制したヴィクトワールピサを退けて勝利。その年の凱旋門賞(G1)でも4着に入着している。

 父ケープクロスはシーザスターズ(英ダービー(G1))、ウィジャボード(英オークス(G1))などを送り出す世界的な名種牡馬であり、日本における最初の後継種牡馬という意味でも評価を高めて行きそうだ。

 ベーカバドの展示の後は、既に産駒が誕生、もしくはデビューをしている種牡馬たちが続けて8頭登場。9頭目からは、今年、初年度産駒が誕生を迎えるアドマイヤオーラ、ローレルゲレイロ、カネヒキリが姿を見せた。

 こうした若い種牡馬がフレッシュさをアピールする一方で、やはり優駿スタリオンの根幹を支える存在と言えるのが、サンデーサイレンスの初年度産駒であり、長きに渡って活躍馬を送り出してきたマーベラスサンデー。ブライアンズタイム系における、最良の後継種牡馬と言っても差し支えないマヤノトップガン、そして、先に展示されたローレルゲレイロの父でもあるキングヘイロー。

 まさに優駿スタリオンステーションの「三羽ガラス」と言っていいこの3頭だが、展示会に出るのは慣れているといった様子で、悠々と周回を重ねていく。だが、この展示会の大トリを務めたのはこの3頭のどれかではなく、08年シーズンから繋養されたファスリエフだった。

 現役時は2歳戦だけでフィニークスS(G1)、モルニ賞(G1)を含む5戦5勝という完璧な成績を残し、カルティエ賞最優秀2歳牡馬にも選出された名馬。00年にクールモアで種牡馬入りすると、初年度産駒が当時の世界記録となる勝ち上がり頭数を記録。日本でも輸入馬が続々と勝ち上がるなど、日高の生産者の期待を背負っての優駿スタリオンステーション繋養となった。

 昨年デビューした初年度産駒も、父譲りと言える仕上がりの良さをアピールしており、今後は重賞などで活躍する産駒も出てきそうだ。また、今年デビューの2世代目産駒も数が揃っており、昨年以上の産駒成績も十分に期待ができる。

 展示会の最後にもう一度姿を見せたのは新種牡馬のベーカバド。優駿スタリオンステーションの「三羽ガラス」に加えて、今後はファスリエフ、ベーカバドといった輸入種牡馬が産駒実績を積み上げていくことにより、これまで以上に生産者からの信頼を集めるスタリオンとなっていきそうだ。