馬産地ニュース

義経神社で初午祭が行われる

  • 2012年02月06日
  • 軽種馬関係者など約150名の参列者が神馬とともに境内を行進した
    軽種馬関係者など約150名の参列者が神馬とともに境内を行進した
  • 破魔矢を西北西の方向へ向け放つ、行事者の仲山浩平取町農業協同組合組合長
    破魔矢を西北西の方向へ向け放つ、行事者の仲山浩平取町農業協同組合組合長
  • 幸運を運ぶという破魔矢を手にした3人。右から1本目の能登浩氏、2本目の岩橋勇二騎手、3本目の稲原昌幸氏
    幸運を運ぶという破魔矢を手にした3人。右から1本目の能登浩氏、2本目の岩橋勇二騎手、3本目の稲原昌幸氏
  • 神馬を務めたアグネスアーク。優しい性格で優駿学園でも生徒の人気者という
    神馬を務めたアグネスアーク。優しい性格で優駿学園でも生徒の人気者という

 2月3日の初午の日、平取町の義経神社で初午祭が行われた。

 初午祭は同神社の恒例行事。御祭神である源義経が騎馬武者として馬を大事にしたという故事と、日高地方が馬産地であることから昭和48年頃より毎年初午の日に行なわれており、今年で40回目を迎える。

 当日は軽種馬関係者など約150名が参列。神馬とともに境内を行進した後、社殿で愛馬の無病息災と先勝を祈願した。

 放たれた矢を拾った人には幸運が訪れるという矢刺しの神事では、年男(辰年 数え61歳)で、義経神社の責任役員でもある仲山浩平取町農業協同組合代表理事組合長が行事者となり、直垂姿で神馬騎乗。馬上から今年の鬼門(歳破)である「戌」西北西の方向に破魔矢を3射し、邪気を払った。

 1本目の矢を拾った能登浩氏はえりも町の軽種馬生産者。朝8時に自宅を出てきたという。3回目にして初めて矢を拾った能登氏は「遠くから通った甲斐がありました。まずは生産した馬が無事に走って勝ち鞍を届けてきてくれたらうれしいですね」とニッコリ。

 2本目の矢を手にしたホッカイドウ競馬の岩橋勇二騎手は「待ってたら目の前に矢が飛んできました。勝ち星も大事ですが、まずは怪我せずに1年を無事に過ごせたら」とはにかんだ。

 最後の矢をゲットしたのは、地元平取町で軽種馬生産・育成を行なう二風谷ファームの稲原昌幸氏。親子2代で参列し続け、初めて矢を手にした稲原氏は「狙っていました。やっと拾うことができて嬉しい。人馬ともに健康に過ごせたら」と声を弾ませた。

 行事者を務めた仲山組合長は「年男ということで今年指名されました。去年は災害が多い年でしたが、今年は災害もなく皆様がご健勝に過ごされること、生産者の馬が1年間無事に過ごし活躍されることを祈念して矢を放ちました」。大役を終え晴れやかな表情を浮かべていた。

 なお、今年の神馬を務めたのは2007年の天皇賞(秋)(G1)、毎日王冠(G2)、札幌記念(Jpn2)で2着となったアグネスアーク(牡9歳)。現在は日高町の優駿学園で繋養されている。おとなしくて優しい性格をしていることから神馬に抜擢。こちらも見事に大役を務め上げた。