牧場巡回指導に関する意見交換会が行われる
2月2日夜、新ひだか町の公益社団法人日本軽種馬協会(JBBA)静内種馬場研修所講義室において、牧場巡回指導に関する意見交換会が行われた。
牧場巡回指導とはJBBAの軽種馬経営高度化指導研修事業のひとつ。強い馬づくりに対応し得る指導者を育成することを目的に、平成17年度から行われている。内容は国内にカウンターパート(栄養管理技術者)を養成するため、海外から専門家を招聘し、定期的にモデル牧場を巡回。ボディコンディションスコア(BCS)、栄養計算、飼養馬の健康状態、放牧地の管理状況、四肢の管理状況をチェックするノウハウを吸収してきた。
平成18年度から平成19年までの1年間で、8牧場をモデル牧場として巡回し、4名のカウンターパートを養成。平成20年から平成21年までの1年間では、7牧場をモデル牧場に4名のカウンターパートを養成してきた。
平成22年度からは養成したカウンターパートが牧場巡回を開始。生産者に栄養管理の重要性を認識させ栄養コンサルタントの普及定着を推進している。
この日の意見交換会にはJBBA職員、同事業に関わってきたカウンターパート、モデル牧場となった生産者、日高管内の青年部員ら50名が出席。JBBA生産対策部の長瀬菊夫部長は「今回は栄養管理に関する研修について、今後さらに発展させるために皆様から意見をお伺いしたい」と挨拶した。
意見交換会ではJBBA生産対策部の山本竜太氏が高度化指導研修事業の内容を紹介。意見交換会はJBBA軽種馬生産技術総合研修センターの仙波裕之次長の進行で行われた。
第1クールカウンターパートで、国内で栄養管理コンサルタントとして活躍するハラマキファームクリニックの服巻滋之氏は、「定期的に巡回指導をした効果とはいえないが」と断った上で、巡回牧場の市場での売却率、売却総額が上昇した事例を紹介。自身がかつて勤務していた牧場で海外コンサルタントを招聘したところ成績が飛躍的に伸びたとこから、牧場コンサルタントの重要性を確信し、独立開業したことも明かした。
また、海外コンサルタントを招聘して実績を上げている(株)ノースヒルズの福田洋志ゼネラルマネージャーは、カルテなどを見せながらコンサルティングの一例を披露した。
出席者からは「この集まりに来て事業内容を知った」、「モデル牧場はどうやって選んだのか」、「事例を具体的に紹介してほしい」、「指導を受ければコスト削減が可能か」、「条件が合えば試してみたい」といった声が上がった。
JBBAでは「今回の意見や要望を踏まえ、皆様の理解を得ながらこの事業を推進していきたい」としていた。