ハービンジャーの初仔が誕生
年が明けた馬産地・北海道。例年より雪が多く厳しい寒さが続いているが、早いところでは当歳が産声を上げている。
1月7日には競馬関係者の関心が高い新種牡馬、ハービンジャー(牡6歳)の日本初、世界初となる産駒も新冠町の新冠橋本牧場で誕生。放牧地を所狭しと元気に駆け抜けている。
その注目のハービンジャー初産駒は、母スプレッドウィング(父サンデーサイレンス)との間に生まれた鹿毛の牡馬。メイショウナナボシ(JRA2勝、現役)の半弟で、近親にはルイジアナピット(最優秀5歳以上牝馬)、リトルアマポーラ(エリザベス女王杯(G1))などがいる。
母馬は「ダンジグ系種牡馬のハービンジャーを受胎しているのが魅力」だったと購買。昨年秋に移動してきたという。生れ落ちた時の産駒の印象を聞かれた橋本正光代表は「骨太で骨格のしっかりした仔ですね。毛色も同じですし、身体全体の印象も父に良く似ていると思います」と期待をかけていた。
ハービンジャーは父ダンシリ、母ペナンパール、母の父ベーリングという鹿毛のイギリス産馬。競走成績は9戦6勝2着1回3着1回で、2010年のキングジョージ六世&クイーンエリザベスS(G1)では、後の凱旋門賞馬ワークフォースらを相手に11馬身差、コースレコードで圧勝し、IFHAワールド・サラブレッド・ランキングは年間最高値となる135ポイント、英タイムフォーム誌のレーティングではダンシングブレーヴ、ドバイミレニアム、シーザスターズら歴史的名馬と並ぶ140ポイントが与えられた。
昨シーズンから安平町の社台スタリオンステーションで種牡馬入り。ルーキーイヤーは輸入新種牡馬では最多となる211頭の種付頭数を記録した。配合された繁殖牝馬にはエアグルーヴ(年度代表馬、天皇賞(秋)(G1))、ダイワスカーレット(有馬記念(G1))、シーザリオ(アメリカンオークス(G1))、ダンスインザムード(桜花賞(G1))、チアズグレイス(桜花賞(G1))、キストゥヘヴン(桜花賞(G1))、レジネッタ(桜花賞(Jpn1))、コイウタ(ヴィクトリアマイル(Jpn1))、スティンガー(阪神3歳牝馬S(G1))、ショウナンパントル(阪神ジュベナイルフィリーズ(G1))、グレイスティアラ(全日本2歳優駿(G1))といったG1勝ち馬や、アドマイヤムーン(ジャパンC(G1))、ローズキングダム(ジャパンC(G1))、サクセスブロッケン(フェブラリーS(G1))、アサクサキングス(菊花賞(Jpn1))の母など、そうそうたる顔ぶれ。次世代を担う種牡馬として大きな期待が掛けられている。