新ひだか町で日高地区軽種馬産業活性化講演会が行われる
1月17日、新ひだか町の新ひだか町公民館において、「日高地区軽種馬産業活性化講演会」が開催された。
講演会は新ひだか町や新冠町などの日高管内の町議会議員らで組織される日高地区軽種馬産業活性化推進議員連盟連絡会(中島滋会長)の主催。会場には日高管内の町議会議員や軽種馬関係者など約80名が出席し、ホッカイドウ競馬を運営する北海道軽種馬振興公社の井村勝昭専務理事の「ホッカイドウ競馬の現状とこれから進むべき方向」について、理解を深めた。
莫大な累積赤字を抱えるホッカイドウ競馬は、2008年3月に運営改善と収支均衡を目指す「北海道競馬改革ビジョン」を策定。2009年から北海道軽種馬振興公社に運営を委託、旭川競馬場を廃止し門別競馬場の主場化、生産主導による競馬などを進めてきた。
JRAの厩舎関連企画室長、中京競馬場長、BTC軽種馬育成調教センター日高事業所長などを歴任し、2008年6月に現在の職についた井村専務は、日本の競馬のピーク時と現状、前年度のホッカイドウ競馬の売上げ、2歳馬登録数、認定競走実施数、在厩馬頭数などを説明。また、運営開始当初は「馬主会、公社、厩者関係者との軋轢があり溝を埋めるのに苦労したが、現在はタイヤの両輪がうまく動き始めて、やっと車検に出せるくらいの修理ができた」と現状を明かした。
現在の地方競馬については「ピーク時の良いとき、体力があるときに是正しなかったツケ」がでたと話し、さらに厳しくなる中で「ドラスティックに変えていかないといけない」と危機感を募らせた。
ホッカイドウ競馬の馬主は3割強を生産者で占めるが、近年は「賞金は安いが、除外の心配もない、預託料も安い」と中央の馬主が参入するケースも増えている。今後は2歳馬競馬に特化し馬券発売につなげ、馬主の新規参入を図り、「真の産地競馬で頑張っていきたい」と意気込んだ。
そして、現在工事中の屋内調教用坂路施設の造成工事についても説明。「工事は少し遅れてはいるが順調に進んでいる。2月にはJRA日高育成牧場の専門家、美浦の調教師を招いて坂路利用の講習会を開く予定。完成後には近隣の牧場も利用可能になる」とした。坂路コースは冬期間の調教環境改善によるレース番組の充実、全国の競馬場に馬資源を供給するホッカイドウ競馬の役割や付加価値の向上、安定的な運営、収支均衡のカンフル薬として期待されている。