馬産地ニュース

日高女性軽種馬ネットワークが軽種馬生産技術研修会を実施

  • 2011年12月16日
  • 研修会の様子
    研修会の様子
  • JRA日高育成牧場・生産育成研究室の佐藤文夫氏
    JRA日高育成牧場・生産育成研究室の佐藤文夫氏
  • JRA日高育成牧場・業務課・診療防疫係長の遠藤祥郎氏
    JRA日高育成牧場・業務課・診療防疫係長の遠藤祥郎氏
  • 日高女性軽種馬ネットワーク(馬女ネット)の高村洋子会長
    日高女性軽種馬ネットワーク(馬女ネット)の高村洋子会長
  • 写真や動画を駆使したわかりやすい説明が好評だった
    写真や動画を駆使したわかりやすい説明が好評だった

 12月15日、JRA日高育成牧場の大会議室で日高女性軽種馬ネットワーク(馬女ネット)の軽種馬生産技術研修会が行われた。

 今回はJRA日高育成牧場・生産育成研究室の佐藤文夫氏、同じくJRA日高育成牧場・業務課・診療防疫係長の遠藤祥郎氏を講師に迎え、2時間にわたって研修が行われた。参加者は日高管内で軽種馬生産・育成の仕事に携わる女性、約15名。

 まず佐藤文夫氏がマイクをとり、「仔馬の肢軸異常・クラブフット調査」をテーマに座学を行った。内容は肢勢の見方、仔馬における肢軸異常、成長に伴う肢勢の変化、クラブフットの発症と対処法について。佐藤氏は写真や動画をまじえて肢勢について丁寧に説明し、とりわけセリでの評価に関わるクラブフットについて詳しく触れ、「クラブフットは生後3、4か月に発症しやすく、生後2、3か月で急に体重が増えた馬、背が伸びた馬には注意が必要です。飼い付けの時に親馬の飼い葉を食べさせないように気を付けてください。また、採食時に後方に位置する肢がクラブフットになることが多い傾向があり、現在、調査を進めています。」と、話し、参加者は食い入るように聞いていた。

 後半は遠藤氏が「馬の皮膚病とその対策」について詳しく説いた。遠藤氏は実際に皮膚病に役立つ薬を持参し、参加者に手に取ってもらいながら話を進め、薬の特徴や効果、使用方法、保存の仕方などを紹介。トレーニングセンターでの使用状況や薬の値段にも触れた。下肢部の手入れと皮膚の保護については、「下肢部を強く洗い過ぎないこと、消毒薬はできるだけ薄くすることが重要です。皮膚の傷の保護のためには、人間が使うオムツをあてるのも有効ですよ。」と、アドバイスし、参加者からは熱心に質問が飛んでいた。

 研修会を終えて日高女性軽種馬ネットワークの高村洋子会長は、「研修会は今回で9回目となりました。今回も馬産について知識を深めることができて良かったです。牧場経営においては男性も女性も同じ立ち位置にいるべきだと思いますし、今後も継続して学びの機会を設けていきたいです。講師をしてくれた日高育成牧場の皆さんには本当に感謝しています。」と、話した。

 日高女性軽種馬ネットワークでは次回、2012年1月26日に総会を行い、コスモヴューファームの岡田繁幸氏を招いての講演会も予定している。