エンパイアメーカー産駒がBCで優勝
米国競馬の祭典「第28回ブリーダーズカップ・ワールド・サラブレッド・チャンピオンシップ」が11月4、5日の両日、チャーチルダウンズ競馬場で行われ、3歳以上牝馬により「レディースクラシック」(G1、ダート9ハロン)で、日本軽種馬協会が所有するエンパイアメーカー産駒のロイヤルデルタ(牝3歳、W・モット厩舎)が優勝。通算成績を8戦5勝2着1回3着1回とした。
ロイヤルデルタは2歳時1戦1勝。4戦3勝で迎えたCCAオークス(G1)ではエイコーンS(G1)の勝馬イッツトリッキーから離された3着だったが、3冠最後のアラバマS(G1)では抜群の瞬発力を見せて優勝。同馬の三冠を阻止するとともに、自身もG1ウィナーの仲間入りを果たしていた。ここは巻き返しを狙うイッツトリッキーと、ケンタッキーオークス(G1)の勝馬プラムプリティーとの三つ巴が予想されたが、再び2頭を寄せ付けない強さを見せて同世代牝馬ナンバーワンを強くアピールした。
ロイヤルデルタの父エンパイアメーカーは、2000年生まれの米国産馬。父アンブライドルド、母トゥサード、その父エルグランセニョールという血統で、2011年シーズンからJBBA日本軽種馬協会静内種馬場で種牡馬生活をスタートさせている。
現役時代は8戦4勝。2戦1勝で2歳シーズンを終え、重賞初制覇は3歳3月のフロリダダービー(G1)。重賞初制覇をG1レースの舞台で飾ると、続くウッドメモリアルS(G1)も勝ってG1レース2連勝でケンタッキーダービー(G1)の主役となった。残念ながら、このレースでは外枠が応えて1番人気に応えることができなかったが、ベルモントS(G1)では三冠を狙ったファニーサイドを下してクラシックウィナーの仲間入りを果たしている。将来を嘱望されたが、脚部不安を発症し2004年から種牡馬となっている。
初年度産駒は現6歳。初年度産駒のカントリースターは2歳G1レースを2勝。2年目産駒のパイオニアオブザナイルはケンタッキーダービー(G1)で2着するなど産駒は5世代で7頭のG1勝馬を出すなど期待にたがわぬ成功を収めている。
父のアンブライドルドはブリーダーズCジュヴェナイル(G1)の勝馬アニースやケンタッキーダービー馬グラインドストーン、米国3歳牝馬チャンピオンのバンシーブリーズなど4頭のチャンピオンを出し、母のトゥサードは2002年の米国年度代表繁殖牝馬。その確かな背景に生産者の期待も高く、2011年シーズンは日高地区の新種牡馬としては最多の204頭の牝馬に配合を行なっている。
待望の本邦初年度産駒は来春に産声をあげる予定だ。