宝塚記念優勝馬ナカヤマフェスタがブリーダーズスタリオンステーションにスタッドイン
11月3日午前8時40分、昨年の宝塚記念(G1)を勝ち、凱旋門賞(G1)でも2着に善戦したナカヤマフェスタ(牡5歳)が、種牡馬としての繋養先となる日高町のブリーダーズスタリオンステーションに到着した。来シーズンから新たな生活をスタートさせる。
ナカヤマフェスタは父ステイゴールド、母ディアウィンク、母の父タイトスポットという血統。2007年のJRHAセレクトセール1歳の出身馬で、鵡川町の(有)新井牧場から上場されると1050万円で和泉信一氏に購買された。
2008年にデビュー2連勝で東京スポーツ杯2歳S(Jpn3)を制し重賞初制覇。2009年にはダービー(Jpn1)4着、セントライト記念(Jpn2)1着など、クラシック戦線を賑わした。2010年の宝塚記念(G1)で、ブエナビスタ、アーネストリー、ドリームジャーニー、ジャガーメイル、ロジユニヴァースらの強豪を退け優勝。G1タイトルを手にすると秋にはフランスへ遠征し、凱旋門賞(G1)ではワークフォースの頭差2着と健闘し、世界にその実力を示した。今年もフランスに遠征し、凱旋門賞(G1)を最後に現役を引退。日仏通算15戦5勝の成績を残した。
11月2日付けで競走馬登録を抹消したグランプリホースは、着地検疫を受けていた茨城県のドリームファームから津軽海峡を渡り北海道入り。到着にはスタリオン関係者のほか、古谷剛彦氏、村本浩平氏といったマスコミ関係者も出迎えた。到着時の馬体重は473キロ。新たな住まいはかつて父ステイゴールドが過ごした馬房が用意された。
世界の強豪と互角に渡り合った猛者は、総額1億5600万円(1株260万円×60)のシンジケートが結成。当初は50株の予定だったが、申込みが殺到し最終的には60株になったという。入厩後にはシンジケートの発起人代表を務める下河辺行雄氏がさっそく来場。「海外帰りにしてはふっくらしてますし、すぐにでも競馬が使えそうな体つきをしてますね。テンションも上がっていないので安心しました。この馬の素晴らしさは2度の海外遠征でも動じなかった精神力の強さ。種牡馬としても期待しています」と笑顔を見せていた。
種牡馬入りを見守った事務局(株)サラブレッドブリーダーズクラブの遠藤幹取締役業務部長は「まずは無事に到着してホッとしたと同時に嬉しい気持ちが沸いてきています」とニッコリ。「これだけの馬を預けてくださった和泉オーナー、二ノ宮調教師はじめ関係者に感謝申し上げます。皆様の期待に応えられるようスタッフ一丸となって頑張っていきたい」と決意を新たにしていた。
セレクトセール上場時の頃から印象に残っていたという古谷氏は「私が予想で推奨したときは案外で、相性はよくなかったんですけどね(苦笑)。凱旋門賞(G1)で2着にきたときは胸が熱くなりました。日高を代表する種牡馬ステイゴールドの産駒が、後継として日高に繋養されるというのは馬産地にとてもよいことだと思います。これからは父仔で切磋琢磨し、日高から沢山の活躍馬を出してほしいですね。応援しています」と評していた。