ジェイエス秋季繁殖馬セールが行われる
11月2日、新ひだか町の北海道市場において、(株)ジェイエスが主催する「ジェイエス秋季繁殖馬セール」が行われた。
このセールは現在国内で開催される唯一の繁殖馬を対象とした公設市場。30年以上の歴史を持つセール出身馬からは、今年のNHKマイルC(G1)優勝馬グランプリボスの母ロージーミスト、2009年天皇賞(春)(G1)勝ち馬マイネルキッツの母タカラカンナ、2008年朝日杯フューチュリティS(Jpn1)覇者セイウンワンダーの母セイウンクノイチなど、数多くの活躍馬の母が取引されている。生産界にとって繁殖牝馬の血の更新は必要不可欠なこと。それだけにこの繁殖馬セールは年を重ねるごとに関心が高まっている。
今年のセールでは受胎馬、未供用を含む空胎馬あわせ179頭が上場。うち106頭が売却され、売却総額は2億9579万5500円、売却率は59.22%、平均価格は279万524円という結果に終わった。
最高価格で取引されたのは祖母にダイナカール、おばにエアグルーヴ、近親にアドマイヤグルーヴ、ルーラーシップ、フォゲッタブル、オレハマッテルゼ、エガオヲミセテ、ウォータクティクスなどがいるフェザーレイ(10歳、父エルコンドルパサー、母エルフィンフェザー、母の父サンデーサイレンス、メイショウサムソン受胎、販売者ノーザンファーム)で1701万円(税込)。複数のバイヤーから声が掛かり、(有)高昭牧場が購買した。
2番目の高額はダフィーナ(11歳、父ムトト、母ダフェイナ、母の父ハビタット、ステイゴールド受胎、販売者ノーザンレーシング)の1060万5000円(税込)で、購買者は岡田スタッドだった。
(株)ジェイエスの藤原悟郎代表は「購買者、販売者の方々は朝早くからせりに参加していただき感謝しています。低価格帯の馬、空胎馬が思ったより売れなかったので、昨年より総額、売却率は落ちましたが、そのぶん平均価格は上昇しました。良い馬には声が掛かったと思います。まずまずの結果では」と納得の表情。来年以降については「まず来年1月に未供用馬、上がり馬が集まる繁殖馬セールを開催します。牝馬を所有される方はぜひ上場願いたいですね。そして今後は牝馬の取引の活性化、価値を上げるためにセールに注力していきたい」と決意を新たにしていた。
詳しいせり結果については(株)ジェイエスのホームページをご覧ください。http://www.jscompany.jp/