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瑞穂賞はリフレックスが差し切り勝ち

  • 2011年10月21日
  • 差し切り勝ちを決めたリフレックス
    差し切り勝ちを決めたリフレックス
  • 道営重賞2勝目を飾った
    道営重賞2勝目を飾った
  • パドックでの様子
    パドックでの様子
  • 喜びの口取り
    喜びの口取り
  • 優勝馬関係者の皆さん
    優勝馬関係者の皆さん

 10月19日、門別競馬場では中京スポーツ杯第44回瑞穂賞(H2)[エンパイアメーカー賞]が行われた。ホッカイドウ競馬のクライマックスを飾る道営記念(H1)に向けての前哨戦としての位置づけにあり、今年も好メンバーが顔を揃えた。距離はダ1800m。

 直前でエイシンイッパツが取り消し、今年は11頭が参戦。1番人気は重賞6勝の女傑クラキンコで単勝1倍台の断然の支持を受けた。2番人気は昨年の瑞穂賞2着馬マキノスパーク。以下、今夏、赤レンガ記念を制したリフレックス、ダ1700mのレコードホルダー・サクラルーラーが人気を集めた。また、伏兵視された馬の中にも道営記念馬コパノカチドキ、瑞穂賞2連覇がかかるカゼノコウテイ、西日本地区での競馬を経てホッカイドウ競馬に帰ってきた実力馬ベストタイザンなど、クラキンコ1強ムードに待ったをかける強豪がひしめいた。

 レースはバラついたスタートとなり、中でもゲイルバニヤンが出遅れて後方からとなる。序盤はどの馬も積極的に行こうとはせず、クラキンコが押し出されるようにハナへ。向う流しでも先団4、5頭が抑えに抑えてスローペースを作り、11頭が5、6馬身の圏内で牽制し合った。ペースアップが図られないのに業を煮やしたように、最後方にいたマキノスパークがレース中盤に捲りを仕掛けて瞬く間に先頭へ。

 服部騎手の奇策に場内がどよめく中、マキノスパーク、クラキンコ、3番手以下は大混戦といった隊列で直線へ。地力を見せるマキノスパークが再び引き離し、クラキンコはなかなか抵抗できない。一方、外をついてリフレックスが勢いよく伸び、マキノスパークにじわじわと迫りゆく。残り50mでマキノスパークを捕え、そのまま突き抜けて優勝。服部騎手の渾身のムチに応えたマキノスパークは2着を死守し、出遅れて万事休すと思われたゲイルバニヤンがビハインドを覆し、あわや2着の3着に食い込んだ。勝ち時計は1分54秒5(良馬場)。

 騎乗した井上俊彦騎手はこの勝利で今年重賞5勝目を飾った。表彰式のインタビューでは、「レース前に原調教師から先団につけるようにと指示がありましたので、前で競馬することを心がけました。クラキンコを見ながら騎乗しましたが、道中は少し掛かり気味でした。直線でよく伸びてくれて強い競馬をしてくれましたね。これからもリフレックスの応援を宜しくお願いします。」と、語った。インタビュアーからの“重賞ハンターですね”との相づちに、照れくさそうな表情を垣間見せたベテラン騎手は、まだまだ大仕事を量産していきそうだ。

 リフレックスの生産は日高町の木村牧場で、馬主も兼ねている。同牧場の木村さんは、「2つ目の重賞勝ちで嬉しく思っています。脚元に不安のあった馬でしたが、無事に使えるのが何よりですね。」と、安堵の表情で感想を語ってくれた。当日は同馬の育成を手がけたファンタストクラブの皆さんも応援に駆けつけ、喜びを分かち合っていた。

 交流重賞を除くと、門別戦では全て3着以内の成績を残しており、今ではホッカイドウ競馬の大将格を担える立場だ。ちなみに2代母の父は先日亡くなったシンボリルドルフ。リフレックス自身や陣営の努力、頑張りもさることながら、その栗毛の肉体に宿る皇帝の血を思うと、更に深くこの馬の躍進ぶりを頷かせる。