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無傷の3連勝でシェアースマイルがエーデルワイス賞(Jpn3)制覇

  • 2011年10月14日
  • 早め先頭から押し切った
    早め先頭から押し切った
  • パドックでの様子
    パドックでの様子
  • 口取り
    口取り
  • 丸山騎手は来月も門別で騎乗予定とのこと
    丸山騎手は来月も門別で騎乗予定とのこと
  • 優勝馬関係者の皆さん
    優勝馬関係者の皆さん

 10月13日、門別競馬場では2歳牝馬による交流重賞、第14回エーデルワイス賞(Jpn3)[ハービンジャー賞]が行われた。距離はダート1200m。GRANDAME-JAPAN・2歳シーズンの第2戦となる。

 今年はJRAから4頭、名古屋から1頭、地元ホッカイドウ競馬11頭の16頭がゲートイン。上位人気は3番人気までJRA勢が占め、中でも人気は2戦2勝のシェアースマイル。前走は出遅れながらの小回りコースを差し切り、潜在能力の高さをアピールした。地元馬からはリリーカップ(H3)の覇者レイモニをはじめ、前走JRA挑戦で僅差3着に追い込んだロクイチスマイルらが対抗馬として票を集めた。

 レース前、1番人気のシェアースマイルが少し枠入りを嫌がったものの、無事に入ってスタート。しかし、シェアースマイルは出遅れ、前方ではフリスコベイ、ユカナ、アイアムネフライトがグングン飛ばした。3、4コーナーを回ってシェアースマイルが外目から一気に進出して先頭集団にとりつき、およそ10頭がひしめきながら直線へ。経済コースで逃げたフリスコベイが突き放しにかかるも、シェアースマイルが捕えにかかり、残り100mで先頭へ。中団で脚を溜めていたシーキングブレーヴとロクイチスマイルがそれを目がけて追い詰めたが、並び切るまでに至らず、シェアースマイルが2歳馬離れした持続力で圧倒した。タフさがウリのシーキングブレーヴがしぶとく2着を確保し、ロクイチスマイルは最速の上がりを繰り出すも3着に甘んじた。やや重の勝ち時計は1分13秒3。

 騎乗したのはJRAの若手、丸山元気騎手。今年春の新潟大賞典(G3)(騎乗馬セイクリッドバレー)に続く重賞制覇を成し遂げた。「デビューから乗せてもらって能力があるのはわかっていたので、自信を持って騎乗しました。初めてのナイターということもあって、直線ではまだ幼い部分を見せましたが、良い馬ですね。もっと良くなると思いますので、今後も応援宜しくお願いします。」と、表彰式で話し、ファンの声援に応えていた。管理する栗田徹調教師(美浦)は今年開業の新規調教師。これが嬉しい重賞初制覇となった。

 シェアースマイルはコスモバルク、マイネルセレクトの故郷として有名な加野牧場(新ひだか町)の生産馬。応援に駆けつけていた同牧場の加野英樹さんは、「牧場時代は手のかからない馬で、大きく、すくすくと育ちました。よくここまで成長してくれましたね。これからも強い競馬をして、ファンの皆さんに喜びを与えられる馬になって欲しいです。」と、笑顔を見せていた。

 シェアースマイルの母エフケーサクラは今年、シェアースマイルの全弟を生んでおり、加野さん曰く“シェアースマイルの男版”というほど似た馬だという。また、母エフケーサクラの半兄タマルファイターは丸山元気騎手の父、丸山侯彦元騎手が主戦を務め、ダリア賞、吾妻小富士オープンなど11勝を挙げた高崎の名馬で、丸山騎手にとっては縁のある血統での重賞Vとなった。

 出遅れに加え、大味な競馬をしながら押し切ったシェアースマイル。2歳牝馬ながら500kgを超す大型馬で、気性面でまだ幼さを残しているだけに、完成されてくればG1を狙える素材だろう。鍛え抜かれたライバルを破った才能はどれほどの力に到達していくか、今後の歩みも注目していきたい。