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イノセントCはゴールドメダルが逃げ切り勝ち

  • 2011年09月08日
  • ゴールドメダルが逃げ切る
    ゴールドメダルが逃げ切る
  • 引きあげてくる人馬
    引きあげてくる人馬
  • 返し馬の様子
    返し馬の様子
  • 喜びの口取り
    喜びの口取り
  • 優勝馬関係者の皆さん
    優勝馬関係者の皆さん

  9月6日、門別競馬場では2歳重賞の第11回イノセントカップ(H3)[クロフネ賞]が行われた。このレースは秋の2歳牡馬3冠の第1弾で、距離はダート1200m。

  JRAの2歳戦に遠征する馬が多い時期でもあり、今年も7頭立ての少頭数となったが、評判馬が激突した。人気を集めたのはデビュー戦で大差勝ちを決めた2頭。1頭は2009年NARグランプリ年度代表馬ラブミーチャンの半弟ダブルスターで、もう1頭は8月のスーパーフレッシュチャレンジで後続を2秒4ちぎったグッドタイガー。共にキャリア1戦ながら、派手なパフォーマンスが人気に火を付けた。続いて、2歳オープン戦で好走歴があるゴールドメダル、余力十分に初陣を飾ったグランデスボスケが票を集め、少数精鋭・ハイレベルの一戦を予感させた。

  台風発生の影響から悪天候が続き、水が浮く不良馬場でレースはスタート。グラッツェーラが出遅れるも、他6頭はダッシュ良く飛び出し、1番枠を利してゴールドメダルがハナを奪う。外からすかさずダブルスターが続き、ビービールヴァン、グッドタイガー、グランデスボスケと差がなく追走し、後方にハンドスターとグラッツェーラが構える。3コーナーに差しかかり、ゴールドメダルとダブルスターが軽快に飛ばしていく一方、後続勢は早くもムチが入り、前が止まらない馬場に苦しむ。直線に向くと、ゴールドメダルがギアチェンジするかのように突き放し、逆にダブルスターは脚色が鈍る。かわって外から猛然とグッドタイガーが迫り、最後は2頭による争いへ。一時はグッドタイガーの勢いが目立ったが、銀メダルはいらないとばかりに、ゴールドメダルの踏ん張りが勝り、逃げ切りVを決めた。2着はグッドタイガー、3着にはダブルスターが入り、上位人気3頭による堅い決着となった。勝ち時計は1分12秒8。

  騎乗した服部茂史騎手はレース後のインタビューで、「ゲートが上手くいったし、そのまま前へ行こうと思いました。最後の直線では後続の気配を感じていましたが、馬の力を信じていました。トビの感じから芝も合いそうです。」と、語った。今年もリーディングトップを走る服部騎手は盛岡の重賞2勝含め、今季重賞4勝目をマーク。12月に行われる「ワールドスーパージョッキーズシリーズ」に向けての地方競馬代表騎手選定戦、「スーパージョッキーズトライアル」の出場権も獲得しており、冴える手腕に注目が高まっている。

  ゴールドメダルの生産は新ひだか町の中村和夫さん。イノセントカップは昨年のモエレフウウンジに続いての連続制覇となった。同牧場の中村時子さんは、「ゴールドヘイロー産駒で昨年のモエレフウンジに続いてこのレースを勝てて、嬉しく思っています。関わってくださった皆さんに感謝です。」と、喜びを語った。父ゴールドヘイローは中村さんが手がけた種牡馬で、産駒はホッカイドウ競馬を中心に活躍しており、2、3歳戦から完成度の高い走りが目を引く。ゴールドメダルがまたその評価を上げていくことだろう。

  なお、同レースの1着~3着馬には10月2日(日)札幌競馬場で行われる2歳オープン戦・すずらん賞(芝1200m)の優先出走権が与えられる。