JAひだか東主催の講演会が行われる
JAひだか東では、中国事情に詳しいブリッジインターナショナルの高橋寛代表と東京大学大学院農学生命科学研究科の本間正義教授を招いて「北海道農業と海外事情について」と題した講演会を行なった。
大きな転換期を迎えている農業従事者に将来の展望と今後の課題に関する講演には約300人が参加し、関心の高さをうかがわせた。
第1部は近年、めざましい発展を遂げている中国競馬についての講演。中華人民共和国では1949年の建国以来、競馬を禁止してきたが、6月11日付けロイター通信が「今夏から中国で競馬が解禁」と報じたことで話題が再燃。注目を集めている。同紙は「レースは、8月下旬から毎週開催される予定で、香港のオリエント・ラッキー・ホース・インダストリーが運営する」と伝えている。ただし、依然としてサラブレッドの占有率は低く、賭けも引き続き禁止されているので馬券の発売はなく、優勝馬の馬主にはスポンサーから賞金などが贈られるという。
高橋氏は、中国の競馬事情をスライドを交えて紹介。武漢競馬場の周辺にはホテルやレストラン、ゴルフ場などが立ち並び、複合娯楽施設の一部として建設されていることや、日本から輸出されたがすでに競馬に出走し、活躍していることなどを報告した。また、「中国経済が成長する限りは、今後も日本の馬に対する需要が増えることが考えられる」と結論付けた。
第2部は北海道農業が抱える課題や将来の展望などについての講演。政府の行政改革委員会のメンバーとして、農業などの規制緩和に取組んでいる本間正義教授が、グローバル化が進む北海道農業について「貿易が拡大する中で北海道農業の強みはなにか、ということを考えなければならない」と言い、道州制を前提にした北海道独自の農業展開を推奨。理念としての独立の意識を持たなければならないと説いた。また、軽種馬生産農家の経営については「世界に通用する強い馬づくりの中で、マーケットを海外に向けて輸出の拡大を目指す必要がある」という自論を展開した。