「夏休み牧場で働こう体験会」が始まる
牧場就業促進事務局が企画・運営する「夏休み牧場で働こう体験会」が8月21日から5泊6日の日程で始まった。
この体験会は中学生・高校生・大学生を対象に、競走馬の生産育成の拠点、浦河町や新ひだか町で、牧場の仕事を体験したり、乗馬、調教施設、種馬場などの見学、生産育成担当者による講義、牧場関係者との懇親会などを通して、実際の競走馬の生産・育成の現場を肌で感じてもらおうというもの。7月27日の「牧場で働こうフェアin東京競馬場」での受付や、BOKUJOBホームページなどから33名の申込みがあり、今回はその中から中学3年生から大学4年生までの15名(男性9名、女性6名)が参加した。
15名は21日に新千歳空港から浦河町のうらかわ優駿ビレッジAERUに移動。22日から牧場での就業体験がスタートした。
体験1日目は午前7時に朝食をとった後、3名1組の5班に分かれ、各研修牧場へ出発。現場の責任者の指導のもと、厩舎作業などを行った。受け入れ先の牧場の一つ、ビクトリーホースランチでは3人一組で育成馬の馬房を掃除。慣れない手つきで汚れた寝藁を取り除いた。また、まるとみ冨岡牧場では放牧地の馬糞(俗称ボロ)を拾う作業を体験。広い放牧地に転がるボロを、一つ一つ丁寧に拾い上げた。
昼食後、午後からはAERUで乗馬を体験。熟練したインストラクターの指示に従い、場内のコースを1周し、馬上の感覚を味わった。
夕方からはJRA日高育成牧場の頃末憲治氏による講義を開催。ウマに関する基本的な知識から、出産、育成までをレクチャーした。頃末氏は「馬は草原で生きる動物。安全・安心を望んでいます。馬を扱うとは馬を支配するのではなく、ヒトがリーダーとなってコントロールすることです」と結んだ。
この日の夜は「牧場で働こうフェアin東京競馬場」に、軽種馬青年部相談コーナーの担当として出席した三好直樹氏と辻陽氏、JRA職員らを交えての夕食会を実施。和気藹々とした雰囲気の中、牧場体験初日の感想やこれからの抱負を語り合った。