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ブリーダーズゴールドC(Jpn2)はシビルウォーが重賞初V

  • 2011年08月12日
  • シビルウォーの豪脚が炸裂
    シビルウォーの豪脚が炸裂
  • 引きあげてくる人馬
    引きあげてくる人馬
  • 返し馬の様子
    返し馬の様子
  • 喜びの口取り
    喜びの口取り
  • 優勝馬関係者の皆さん
    優勝馬関係者の皆さん

 8月11日、門別競馬場ではホッカイドウ競馬で唯一のJpn2戦、交流重賞・第23回ブリーダーズゴールドカップ(Jpn2)が行われた。距離はダート2000m。

 今年の面々はJRAから5頭、ホッカイドウ競馬から6頭、大井から1頭の12頭。中でも人気は川崎記念(Jpn1)2着の実績が光るメイショウタメトモ、北海道の競馬場とは抜群の相性を誇るエーシンモアオバー、重賞未勝利ながら決め脚鋭いシビルウォーらJRA勢が上位を占めた。対する地元勢からは女王クラキンコが参戦。前走こそ土がついたものの、地の利を生かして強豪牡馬に挑む。道営ファンの大きな期待も込められて、単勝は地方馬としては最上位の5番人気まで押し上げた。

 さすがは門別競馬、夏の大一番とあって、メインレースのパドックには黒山の人だかりができ、ファンファーレが鳴る頃にはスタンド一般席や外ラチ沿いに観客が群がった。

 レースはエーシンモアオバー、メイショウタメトモが引っ張り、ピイラニハイウェイ、クラキンコと隊列が続く。向正面で流れは一旦落ち着くも、エーシンモアオバーの果敢なペースメイクと、タフで知られる門別2000mの舞台に苦戦する馬が続出し、レース後半はサバイバルの様相を呈していく。逃げるエーシンモアオバー、2番手で追いかけるメイショウタメトモが火花を散らしながら直線へ。後続馬は伸びを欠く中、一頭だけ中団からエンジン全開で差を詰めてきたのがシビルウォー。一気に前2頭に襲いかかり形勢を逆転。直線半ばであっさりと突き抜け、残り100mからは独走態勢に入り、最後は2着馬に6馬身もの差を付けてゴールを切った。2着はメイショウタメトモ、1番人気エーシンモアオバーは3着に敗れた。地元期待のクラキンコは地方馬最先着(6着)を果たしたものの、今回も苦杯をなめる結果となった。

 騎乗した吉田豊騎手は表彰式のインタビューで、「いつも追い込み一辺倒なので、前に離されないように騎乗しました。道中はロスなく気持ち良く走れましたし、直線は鋭く伸びて気持ち良かったですね。シビルウォーに重賞タイトルを獲らせることが出来て嬉しいです。」と、喜びをかみしめながら答えていた。

 シビルウォーの生産は千歳の社台ファーム。応援に駆けつけていた同牧場スタッフの方にお話を伺うと、「優勝できて嬉しいです。今回はこの馬の決め脚が最大限に生きて、強い内容だったと思います。秋に向けて楽しみが膨らみますね。」と、笑顔で話していた。

 同馬の父ウォーエンブレムからはウォータクティクス、キングスエンブレムに続いてのダート重賞馬の誕生。ケンタッキーダービー馬の父を彷彿とさせる破壊力満点のレースぶりで、数少ない産駒がまた父の名を知らしめた。

 見事な差し切り勝ちで初重賞制覇を飾ったシビルウォー。近走は2桁着順のレースこそあれ、毎回自身の後半上がり時計は早く、猛然とライバルをのみ込む末脚が身上だ。これまで重賞を勝てなかったのが嘘のような鮮やかな完勝劇。まだまだ上を目指せる可能性を感じずにはいられない。