東日本大震災の被災馬が日高町へ避難
3月11日の東日本大震災で被災した、福島県南相馬市に繋養されていた馬9頭が8月9日朝、避難先となる日高町の法理牧場に到着した。
日高町と南相馬市は共に全国市町村ホースサミット連絡協議会に加盟する自治体。地域経済や生活文化に対する馬の活用方策を考え、馬文化を発展させようと、20年に渡り協力し合ってきたことから、日高町は4月に被災馬の受け入れを表明していた。
受け入れ第一弾となった今回は9頭が移動。いずれも南相馬市の伝統行事「相馬野馬追」に出場した馬という。その中には2002年のきさらぎ賞(G3)、2006年の小倉大賞典(G3)を勝ったメジロマイヤー(牡12歳)、2002年のダービー卿チャレンジトロフィー(G3)を制したグラスワールド(セン15歳)、2004年のサンタアニタトロフィー、2004年の京成盃グランドマイラーズと南関東重賞の重賞を制したトミケンマイルズ(牡11歳)などが含まれている。
9頭は8日に南相馬市で放射能被爆の有無を確認するスクーリング検査を受けた後に、2台の馬運車に振り分けられ出発。青森から函館経由で北海道入りし、受け入れ先となる法理牧場へ向かった。
被災馬の到着には三輪茂日高町長や日高町職員、木村貢HBA日高軽種馬農協副組合長、門別正門別軽種馬生産振興会会長らが出迎え。馬運車から降ろされると、こちらでもスクーリング検査を行い安全を確認した。
到着を見守った三輪町長は「無事に着いて安心しております。9頭にはまずは疲れを取ってもらい、それから広い放牧地でゆっくりしてほしいですね」と労った。馬の所有者へ対しては「こちらでは専門のスタッフが世話をするので安心してほしいです。馬の世話はお休みいただいて、その間、町の復興のために尽力してください。私たちは馬を預かることによってそのお手伝いをしたいですね」とエールを送っていた。
受け入れの費用はダーレー・ジャパン(株)などの軽種馬関係者や一般から日高町に寄せられた義援金を充当。期間は来年5月31日までとなっている。