JRA日高育成牧場で「うらかわ馬フェスタ」開催
7月30日、31日、浦河町のJRA日高育成牧場では「うらかわ馬フェスタ2011」が開催された。夏季にしては過ごしやすい気候の中、5冠馬「シンザン号」生誕50周年記念・第26回シンザンフェスティバルと第45回浦河競馬祭を合わせた盛り沢山のプログラムが組まれた。
7月30日には前夜祭としてミスシンザンの表彰、サラブレッド馬上結婚式、競馬グッズオークションなどが行われ、ミスシンザンに選ばれた渋谷千尋さん、真下恵さんやウェディング衣装を着た新郎新婦が会場を華やかに彩った。
7月31日はイベントエリアにいくつもの露店が並び、ステージではキャラクターショーやCLUB KEIBAトークライブが行われ、ファミリー層を中心に終日にぎわいを見せた。午前9時からはJRA日高育成牧場の1600mコースを使って浦河競馬祭が始まり、ジョッキーベイビーズ・北海道地区予選をはじめ、繋駕レース、トロッター、和種・軽種馬のレースで人馬が疾走。ラチ沿いにはカメラを持ったファンがズラリと並び、後半のレースでは勝ち馬クイズも実施され、競馬場さながらの雰囲気を作っていた。
浦河競馬祭おなじみの「浦河ダービー」は中神美渚さん(野深小5年生)がマーブル号とのコンビで快勝。満面の笑みで大きなトロフィーを受け取った。レース後に感想を伺うと、「優勝できて嬉しいです。レースでは真っすぐ走らせることを第一に考えて乗りました。途中、フラつきそうなところもありましたが、直線ではしっかりムチを使って追えました。また勝ちたいです。」と、元気良く話してくれた。騎乗した地元小中学生は皆、大人顔負けのフォームで、馬の扱いにも慣れている様子。馬産に根ざした浦河地区ならではの場面が随所に見られた。
会場内テントにはJRA、日高観光&ホッカイドウ競馬、ばんえい競馬の各PRブースが設けられ、パネル展示やパンフレット・グッズが配布された。ばんえい競馬のブースにはばん馬・リッキー号も十勝から出張し、その大きな背中に来場者をまたがらせた。他にも、日高育成牧場見学バスツアーやポニー馬車、体験乗馬、JRAホースショー(ポニー演技・軽乗演技・ウエスタンホースショー)などが観客を楽しませ、馬への親しみを沸かせた。
今回のイベントの運営にあたった浦河町軽種馬生産振興会青年部の谷川部長は、「青年部としては新体制での運営で、準備にあたっては不安もありましたが、多くの方の協力を得ながら無事に開催できて良かったです。競馬グッズオークションでの落札金は震災復興に役立てていきます。今回も全国各地から来場者がありまして、本当に嬉しい限りです。今後も馬を生産・育成することだけではなく、このようなかたちでも競馬を盛り上げていきたいです。」と、振り返った。今後の課題については“レースに出走してくれる馬集め”とのことで、来年以降は更にボリューム感のあるレースが見られるかもしれない。
昨年は口蹄疫のためにイベントは中止となったが、会場内はブランクを感じさせない熱気で、お祭りを通じて馬への興味が深まった方、愛着を抱いた方も多かったことだろう。馬産地が送る夏の名物行事として、今後も競馬場に多くの人馬が集う場をもたらして欲しい。