平成23年度装蹄師認定講習会講習生の北海道研修が行われる
社団法人日本装蹄師会装蹄教育センター(栃木県宇都宮市)は、7月25日から29日までの4泊5日で、平成23年度装蹄師認定講習会講習生の北海道研修を行った。
JFA装蹄教育センターは装蹄師を養成する機関。同センターで開催する1年間の全寮制の装蹄師認定講習会を受講し、認定試験に合格すると2級認定装蹄師の資格が与えられる。本年度の装蹄師認定講習会は4月に開講。18歳から29歳までの16名が、装蹄師になるための学科や実技を学んでいる。
16名の受講生は教官と共に25日に北海道入り。26日は浦河町のJRA日高育成牧場で、27日は新ひだか町のJBBA静内種馬場、新和牧場で、28、29日は安平町の社台スタリオンステーション、ノーザンファームなどで研修を行った。
27日は新和牧場の協力のもと、繁殖牝馬の装蹄を実践。4人1組に分かれ、1頭の脚を1人1脚ずつ削蹄した。普段講習では扱わない生身の馬だけあって講習生らは悪戦苦闘。立ち会った開業装蹄師や教官に指導を受けながら蹄を整えた。
牧場の大切な財産である繁殖牝馬を研修用に提供した、獣医師でもある谷岡毅同牧場代表は「最近は獣医師と装蹄師がコンタクトを取り合って馬づくりに取り組んできているが、まだまだ足りていない。あなたたち若い世代が率先してそういう関係を築いてほしい」と次代を担う未来の装蹄師にアドバイスしていた。
受講生16名の講習後の希望進路先は、JRA開業装蹄師、生産地、乗馬関係など様々。その中の一人、台湾出身の藍友謙さん(26歳)は大手アパレルメーカーの内定を辞退して装蹄師を志望。「母国で実家が乗馬クラブを経営しているので受講しました。卒業後は日本の牧場か組織に就職して幅広く知識を吸収したい。台湾では競馬はなく乗馬だけですが、今後は中国でも競馬が行われる可能性があるので、そちらも視野に入れて競走馬の装蹄技術も学びたいです」と目を輝かせていた。