セレクトセール1歳が開催される
(社)日本競走馬協会主催の「セレクトセール2011」が7月11日、12日の2日間に渡って苫小牧市のノーザンホースパークで開催された。開会に先立ち、同セール出身のG1馬、グランプリボスを管理する矢作芳人調教師に馬主の(株)グランプリの代理として金メダルの授与が行われた。
初日は1歳市場。上場頭数233頭(牡140頭、牝93頭)のうち、197頭(牡120頭、牝77頭)が売却され、売却率は84.5%を記録した。総売上 は49億6,230万円(税込)。昨年比19頭増の上場頭数で、売却率は3.7ポイント増。平均価格は昨年を6,027,751円上回る 25,189,340円だった。
最高価格馬はアドマイヤグルーヴ、ルーラーシップ、フォゲッタブルの半妹で、ディープインパクトを父に持つ「No.51エアグルーヴの2010」が3億 6,000万円(税抜)でグローブエクワインマネージメント(有)に落札された。1歳馬としては同セール史上最高価格となり、当然1歳牝馬の1億円超えも初。同社の多田信尊代表は「この値段に相応しい価値のある馬。エレガントな雰囲気、血統、馬体、歩き方、すべてを兼ね備えていて、久々にこういう馬が出てきたなと思いました」と満足気な表情を浮かべていた。
次いでアドマイヤムーンの半弟「No.122マイケイティーズの2010」(牡、父キングカメハメハ)が2億6,000万円(税抜)で島川隆哉氏に落札された。「トーセン」の冠名で知られる島川氏は「ちょっと高かったかなぁ」と苦笑しつつ「小柄で切れがありそうな印象を受けたから」と購入理由を語った。
惜しくもミリオンに届かなかったものの、8,000万円(税抜)と健闘したのは「No.92ドナブリーニの2010」(牡、父ネオユニヴァース)。(有)エクリプスマネージメントによって落札された。
2008年のダービー馬、ディープスカイの全弟「No.57アビの2010」は父アグネスタキオンのラストクロップということもあり注目を集め5,000万円(税抜)で広尾サラブレッド倶楽部(株)が落札した。
その他の注目馬では1997 年エリザベス女王杯(G1)勝ち馬「No.94エリモシックの2010」(牡、父シンボリクリスエス)は(有)ローズヒルが3,000万円(税抜)で、タニノギム レットの半弟「No.146タニノクリスタルの2010」(牡、父アドマイヤムーン)は3,000万円(税抜)で(株)吉澤ステーブルが購入した。
セール終了後、吉田勝己氏が合同記者会見に応え、「下見・開催日ともにお客さんの数が多かったですね。しかも後半まで多数の方々に残って競っていただけました。最高額になったエアグルーヴの2010については、本当に素晴らしい馬で売るのが惜しいぐらいでしたが、セールを盛り上げるためにはこういう馬が出ることは大事なことです」と確かな手応えを感じているようだった。