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アドマイヤムーン産駒がJRA初勝利

  • 2011年07月08日
  • 産駒の快走に足取りも軽いアドマイヤムーン
    産駒の快走に足取りも軽いアドマイヤムーン
  • 青草を頬張り束の間の休息を楽しむ
    青草を頬張り束の間の休息を楽しむ
  • ファーストシーズンサイアー争いの本命として注目されている
    ファーストシーズンサイアー争いの本命として注目されている

 7月3日、中山競馬場で行われた1Rの2歳未勝利戦(芝1200m)において、アドマイヤムーン産駒のレオアクティブ(牡2歳、美浦・杉浦厩舎)が優勝し、アドマイヤムーン(牡8歳)は種牡馬として記念すべきJRA初勝利を飾った。さらに初勝利から2時間後に行われた函館競馬場の5R2歳新馬戦・メイクデビュー函館(芝1200m)でも、アドマイヤムーン産駒のエクソプラネット(牝2歳、美浦・高柳厩舎)が、出遅れをものともせず差し切り勝ち。早くも両目を開ける好発進を切った。

 アドマイヤムーンは父エンドスウィープ、母マイケイティーズ、母の父サンデーサイレンスという血統。早来町のノーザンファーム生産馬で、2003年のJRHAセレクトセールに上場されると近藤利一氏に1680万円で落札された。

 2005年7月にデビューすると無傷の3連勝で札幌2歳S(G3)で重賞初制覇。2006年は共同通信杯(G3)、弥生賞(G2)のほか、古馬相手に札幌記念(G2)を制した。4歳になると本格化し、2007年の京都記念(G2)を快勝後、UAEアラブ首長国連邦のドバイへ遠征。ドバイデューティフリー(G1)では世界の強豪を退け、待望のG1タイトルを手にした。帰国緒戦となった宝塚記念(G1)を制すると、秋には近藤利一氏からダーレー・ジャパン・ファームへのトレードが成立。新オーナーとして初めて臨んだ天皇賞(秋)(G1)は不利を受けて6着に敗れたが、次走のジャパンC(G1)でG1 3勝目を挙げた。この年、JRA年度代表馬と最優秀4歳以上牡馬のタイトルを獲得。国内外通算17戦10勝の成績を残した。

 2008年から日高町のダーレー・ジャパンスタリオンコンプレックスで供用開始。初年度は138頭に種付けし、2009年生産の初年度産駒は100頭が血統登録されている。ここまで中央・地方合わせて7頭がデビュー。中央の2勝のほか、レベルの高いホッカイドウ競馬でも産駒がデビュー勝ちを収めている。

 アドマイヤムーンを管理するダーレー・ジャパン(株)のスタリオン&ブラッドストックディレクターであるシェーン・ホーラン氏は「アドマイヤムーン産駒が期待通りの活躍を見せ始め、大変嬉しく思っております。シーズン早々の勝ち上がりは、とても励みになります。レオアクティブとエクソプラネットは今後多大なる活躍が期待できることでしょう。また、1頭でも多くのアドマイヤムーン産駒のレースが見られることを楽しみにしております」と声を弾ませている。

 海外G1などG1 3勝を挙げ年度代表馬に輝いたアドマイヤムーン。早世した名種牡馬エンドスウィープの後継として、日高の救世主として期待されている。初年度産駒が早々に結果を出したことで、軽種馬関係者の評価はさらに高まっている。