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北海道スプリントC(Jpn3)はマルカフリートが差し切り勝ち

  • 2011年06月17日
  • マルカフリートが差し切り勝ち
    マルカフリートが差し切り勝ち
  • 引きあげてくる人馬
    引きあげてくる人馬
  • インタビューに答える福永騎手
    インタビューに答える福永騎手
  • 口取り写真
    口取り写真

 6月16日、門別競馬場では交流重賞、北海道スプリントカップ(Jpn3)が行われた。

 今年はJRAから3頭、他地区4頭、ホッカイドウ競馬所属馬6頭の13頭による顔ぶれ。1番人気は昨年の覇者ミリオンディスクで、単勝1.5倍の断然の支持を集めた。2番人気は大井から参戦のヤサカファイン。交流重賞で好勝負している実績が評価され、直線の長い門別は差し脚質のこの馬向きとも評された。以下、9戦5勝と底を見せていないマルカフリート、2年連続同レース2着のガブリンが印を集めた。

 レースは人気のガブリンが出遅れる波乱の幕開け。地元服部騎手を配してきた船橋所属のエレガントスピーチがハナを奪い、ヤサカファインが意外にも2番手を追走。ミリオンディスクは好位から進出の機を待つ。淀みない流れで直線に向くとヤサカファインが先頭に立ち、直後にいたミリオンディスクも追い出すも、伸びに精彩を欠く。対照的に外目に持ち出したマルカフリートが鋭い末脚でグングン差を詰め、残り50mのところで粘るヤサカファインを交わし、そのまま先頭でゴールを切った。2着はヤサカファインが入り、ゲート入りに時間がかかったことが影響したか、ミリオンディスクは3着に敗れた。ダ1200mの勝ち時計は1分11秒5。上位人気3頭による堅い決着となった。

 優勝馬の手綱をとった福永祐一騎手は昨年のエーデルワイス賞(Jpn3)に続くホッカイドウ競馬重賞制覇。表彰式でのインタビューでは、「スタートを待たされて心配でしたが、上手にスタートを切れましたし、楽な手応えでレースを運べました。最後の直線でも力強く抜け出してくれましたね。もともと高い能力を持っていると思っていたので、重賞初挑戦で優勝することが出来て良かったです。門別競馬場は昨年も優勝した縁起の良いコースなので、また機会があったら来たいです。」と、語った。

 今年はJRA全国リーディング2位につけており、地方競馬にも精力的に参戦している。ウイナーズサークルの周りは大勢の観客で埋まっており、実力もさることながら、人気の高さも示していた。

 マルカフリートは父アフリート、母スプリングアマインという血統の5歳牡馬。生産は千歳の社台ファーム。表彰台に立った同牧場の横山さんは、「これまでいろいろと苦労がありましたが、本格化してきましたね。あまりレース数を使っていませんし、まだまだ活躍できる馬だと思います。牧場としては昨年に続いての北海道スプリントカップ(Jpn3)優勝にもなり、大変嬉しく思っています。」と、喜びを語っていた。同馬はセレクトセール出身馬で、1歳時に4,095万円で落札された。牝系からはラインクラフト、アドマイヤマックス、ソングオブウインドなどG1馬が誕生しており、高額取引とその後の活躍も納得だ。

 ダート短距離界に現れた新星、マルカフリート。1年前、500万クラスにいた馬とは思えない鮮やかな勝ちっぷりで、重賞の壁も一気に突き破った。5歳ながらキャリアはまだ10戦。今回の勝利はまだ、飛躍の序章に過ぎないのかもしれない。