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北海優駿はピエールタイガーが競り勝つ

  • 2011年06月09日
  • 約3cmの僅差でピエールタイガーが競り勝った
    約3cmの僅差でピエールタイガーが競り勝った
  • 直線の攻防
    直線の攻防
  • 喜びの口取り
    喜びの口取り
  • 特製馬服を着用して口取りへ
    特製馬服を着用して口取りへ
  • 優勝馬関係者の皆さん
    優勝馬関係者の皆さん

 ダービーウィークと称して今週は全国各地で3歳馬No.1決定戦が行われている。6月7日には門別競馬場でホッカイドウ競馬のダービー、北海優駿(H1)[ディープスカイ賞]が行われた。

 今年のメンバーは牝馬2頭を含めた13頭が参戦。道営3歳クラシック第1弾の北斗盃(H2)を制したパフォーマンスをはじめ、交流重賞・北海道2歳優駿(Jpn3)で3着の実績が光るエバーオンワード、メンバー中最多6勝馬サントメジャー、未来優駿・サッポロクラシックカップの覇者ピエールタイガー、前走、JRA馬相手に圧勝したスタープロフィットなど実力馬が勢ぞろいし、ホッカイドウ競馬3歳馬最高の栄誉へと挑んだ。

 レースは最内枠を利してビービーゼオが逃げる展開。ピエールタイガー、スタープロフィットが先行し、好位からサントメジャー、エバーオンワードが続く。上位人気馬は互いに近いポジショニングで勝負所へさしかかった。7、8頭がひしめき合った状態で直線へ入ると、混戦の中からスタープロフィットが浮上。内からピエールタイガーが応戦し、残り100mからは2頭の壮絶な叩き合いへ。脚色は外のスタープロフィットに勢いがあったが、ピエールタイガーもしぶとく粘り、相譲らずゴールを切った。長い写真判定の結果、ダービー馬の称号はピエールタイガーに軍配。スタープロフィットはハナ差2着に敗れた。後方グループで脚を溜めていた伏兵エルドラゴンが3着に突っ込み、3連単は26万円を超える波乱となった。2000mの勝ちタイムは2分11秒3。

 優勝した宮崎光行騎手は表彰式のインタビューで、「理想通りの位置取りでレースを進めることが出来ました。直線では必死に追いましたが、最後は本当に際どい勝負だったので、優勝できて本当によかったです。北海優駿を3連覇出来たのはオーナーを始め関係者の皆様のおかげだと思います。これからも頑張っていきますので、応援宜しくお願い致します。」と、語った。宮崎光行騎手と同馬を管理する堂山芳則調教師はアラベスクシーズ、クラキンコに続き、これで北海優駿3年連続制覇を達成。ホッカイドウ競馬史に残る記録を刻んだ。

 ピエールタイガーの生産は平取町の船越牧場。今回は1番人気に推されたサントメジャーも生産馬として出走しており、大舞台に2頭出しを実現させていた。応援に駆けつけていた船越さんに表彰式後、お話を伺うと、「最後は接戦でしたので、負けたと思いました。優勝できて嬉しいです。この馬の母はデビュー戦を大差勝ちした馬で、その高い能力が受け継がれていますね。ピエールタイガーの牧場時代は小さな馬でしたが、2、3歳になってから成長が著しいようです。これからも勝ち進んで欲しいですね。」と、喜びを語った。祖母は帝王賞(G1)、東京記念など11勝をマークした南関東の雄コンサートボーイを生み出しており、同牧場ゆかりの血統。ピエールタイガーはコンサートボーイと同じカコイーシーズ産駒でもあり、爆発力のある配合が再度好結果を導いた。

 これぞダービーと思わせる、死力を尽くした叩き合いを制したピエールタイガー。その闘志に心を打たれたファンも多かったことだろう。競馬場のあちこちから“いいレースだった”という声が聞こえていた。