ノーザンホースパークで北海道新緑馬術大会開催
5月20日から22日にかけて、北海道苫小牧市のノーザンホースパークでは第25回新緑馬術大会(主催:北海道馬術連盟)が行われた。
この大会ではジャンピング、ドレッサージュ合わせて35の競技が行われ、道内の乗馬クラブ、大学・高校馬術部、育成・繁殖牧場から多数の参加者がエントリーした。
現役時代に活躍した元競走馬も出場しており、マイルチャンピオンシップ(G1)の優勝馬トウカイポイントや、菊花賞(G1)、メルボルンC(G1)の優勝馬デルタブルースをはじめ、ゴーステディ、サンツェッペリン、ディラクエなど、競馬ファンも知る有名馬が華麗なジャンプを披露していた。トウカイポイントは「標準小障害C Part2」で河原晟也選手(ノーザンファーム)とのコンビで見事優勝。乗用馬としても高い実力を証明していた。
これまで馬産地ニュースで紹介したライディングヒルズ静内での乗馬大会・第2回グランドチャンピオンシリーズに出場していた選手の姿もあった。シリーズのグランドチャンピオンに輝いた中村知世選手(中村宏厩舎)は「少年小障害A S&H」、「少年小障害C Part2」などの競技で優勝。今大会で最もウイニングランをしたのは彼女だ。中村選手は、
「冬場の大会での成果が生きました。これからも気を引き締めて騎乗していきたい。」と、生き生きとした表情で厩舎と競技場を往復していた。
北海道静内農業高校・馬術部からの出場選手は馬術部の乗用馬と共に競技へ挑んだ。JRAで3勝をマークした同校生産馬ユメロマンも生徒たちと共に元気に駆け抜け、「少年小障害B Patr1」では優勝も果たした。ユメロマンにまたがった一人の田村祥選手(生産科3年)は、「難しい場所は馬の実力に助けられました。障害に向かっていく気の強さがあるし、乗りやすい馬です。やんちゃなところはありますが、物見もせず、よく頑張ってくれました。」と、パートナーを労っていた。
低い障害の競技も実施されており、大会経験の浅い小中学生がこぞって出場。中学3年生の小山達平選手(新冠ホロシリ乗馬クラブ)は、「少年小障害B Part2」で優勝。高校生も出場している中で巧みな手綱捌きを見せ、栄えある表彰台に立った。
小山選手は、「良いタイムが出たのでホッとしていたのですが、優勝と聞いてびっくりしました。大会では沢山の選手の騎乗を見ることができるので、勉強になります。自分のミスを減らして、馬に負担をかけないような騎乗ができるように、これからも頑張っていきたいです。」と、はつらつとした表情で記念品を手にしていた。
今大会で審判員を務めた広瀬春行さんは大会を振り返って、「この大会より世界選手権仕様の砂に変えたので、とても走りやすい馬場になっていたと思います。減点0のパーセンテージが向上しましたね。新しいコンビの人馬が多く、この大会で経験を積んだことで、より調和がとれてくると良いでしょう。5月の北海道はまだ肌寒いですが、これから過ごしやすい季節になりますし、次大会へ向けて参加選手も見学にいらっしゃる方々も更に増えていくことと思います。」と、語っていた。
ノーザンホースパークでは6月24~26日に第46回北海道春季馬術大会が行われる。