ホッカイドウ競馬が開幕
2011年度のホッカイドウ競馬が4月29日開幕した。今年は祝日と好天を味方に、昨年の開幕日の約2倍となる1,716名の来場を集め、場内はにぎわいを見せた。
通常より早い午前10時の開門では、ホッカイドウ競馬で騎乗する騎手が募金箱を持って入場門に立ち、東日本大震災の義援金協力を呼びかけた。4月24日、札幌競馬場での募金活動に続いての試みだ。レース開始前にはパドックで主催者、調教師、騎手による黙とうが行われた。
オープニングレースには新人・下村騎手も騎乗し、昨年11月以来となるホッカイドウ競馬がいよいよ始まった。スタンド内は混み合っており、各馬が直線に入ると場内から歓声が沸いた。久々の実戦となる馬が大多数だけに、馬券検討が難しいような開幕日だが、人気馬上位の決着が多く、10万円オーバーの払戻金は出なかった。開催2日目以降はいかに。
とねっこ広場では様々な露店が並び、地元食材を用いた一品に来場者は目を向けた。また、広い芝生エリアを生かして、白毛のポニー「小雪ちゃん」の展示や、お子様を対象としたポニー体験乗馬(無料)が行われ、多くの家族連れが馬と親しんでいた。
札幌から来たという30代の女性はさっそくお子様をポニー乗馬へと誘った。「乗馬をする機会はあまりないので、体験させようと思いました。子供は“面白かった”と満足そうでした。門別競馬場は空気がきれいで清々しい気持ちになります。トイレが清潔なのも良いですね。」と、笑顔で話していた。年々、子供や女性客の姿が増えているように感じる。
正午と午後3時には競馬グッズのチャリティオークションも行われ、騎手のサイン入りブルゾンやキャップ、有名馬が使用した蹄鉄や頭絡などが出品された。最高値はコスモバルク号が使用した調教ゼッケンで、白熱した競り合いに参加者は興奮。2万円を超える額で落札となった。落札金は東日本大震災の義援金として寄付される。
この日は全12レースが組まれ、第6レースには全国を先駆けて2歳戦「スーパーフレッシュチャレンジ競走」(ダ1200m)が行われた。新種牡馬スタチューオブリバティ、ローエングリンの産駒を含めた12頭が参戦し、2009年産世代の一番星を目指した。
レースはアドマイヤマックス産駒のウィナーズマックスが序盤から主導権を握り、そのまま先頭でゴール。楽に先手を奪ったように、優れたスピードの持ち主だ。追われてからもしっかりしており、有望な2歳馬として今後が楽しみだ。
応援に訪れていた生産者の山口さんは、「嬉しい口取りとなりました。姉も活躍した馬ですし、重賞制覇を期待したいです。」と、にっこり。タイム1分14秒5(重)は次のレースのJRA交流戦の勝ちタイムと僅か0.5秒差で、時計的にも高評価を与えていいだろう。
4月29日~5月5日のホッカイドウ競馬は東日本大震災復興支援開催となり、売上の一部が復興支援金として寄付される。開催4日間、入場料は無料。5月5日の新設重賞・コスモバルク記念(H2)はホッカイドウ競馬の女王クラキンコと岩手の雄ロックハンドスターが顔を合わせる好カードとなっている。ゴールデンウィーク後半戦のグランシャリオナイターも是非ご注目いただきたい。