“フットケア”研修会が行われる
競走馬の土台といわれる蹄。蹄は重い馬体を支え、時速60キロを超える速度にも耐える優れモノでもある。蹄本来の機能が正しく発揮させるには、その健全性を維持しなければならない。しかし、維持することは容易ではなく、生まれた直後から競走馬、繁殖生活まで、蹄には様々なトラブルを引き起こすストレスが降りかかる。そんなトラブルが生じたときにどう対処するかを学ぶ肢蹄管理技術の研修会が11月23日、新ひだか町の静内ウエリントンホテルで開催された。
研修会はJFA日本装蹄師会の主催。英国のサイモン・カーティス装蹄師を講師に招聘し、「幼駒から繁殖まで、競走馬の生涯にわたるフットケア」と題し講演が行われた。
サイモン装蹄師は競馬の町として世界的に有名な英ニューマーケットで活躍する装蹄師。現役競走馬の装蹄から幼駒、繁殖牝馬の肢蹄矯正や装蹄療法まで、幅広い技術と知識を持つ第一人者で、米愛加仏など世界19カ国と地域で講演と技術指導を行っている。また、蹄に関する書籍も多数出版。豪州ビクトリー競馬クラブ名誉装蹄師としての受賞暦もある。
講演でサイモン装蹄師は、馬管理者に必要な蹄の見方と護蹄の知識、クラブフットや肢蹄異常の実態と対処法、繁殖牝馬や休養馬の護蹄管理法をレクチャー。基本的なこととして「きちんと脚を見ること」とした。また、異常が見られたときは「馬の管理者、獣医師、装蹄師でいろいろなプランを話し合い意見をまとめることが重要」と三位一体となって取り組みことを推奨した。装蹄に関して豊富な知識を持つサイモン装蹄師だが、装蹄には変わらない原則があることを強調。そのうえで新しい技術を取り入れることができるとした。●日本装蹄師会ホームページ