馬産地ニュース

浦河町で障がい者乗馬大会「クローバー杯」開催

  • 2010年11月22日
  • 大会に集まった皆さん
    大会に集まった皆さん
  • 本巣会長の挨拶
    本巣会長の挨拶
  • 競技の様子
    競技の様子
  • 参加者をサポートしながら、ゴールを目指します
    参加者をサポートしながら、ゴールを目指します
  • ボランティアスタッフとして静内農業高校の生徒も活躍した
    ボランティアスタッフとして静内農業高校の生徒も活躍した

 11月20日、浦河町乗馬公園では障がい者乗馬大会「2010クローバー杯」が開催された。

 同大会は障がい者乗馬のボランティアクラブ「乗馬ボランティアクラブ クローバー」の主催で、8回目を迎える。日高管内で軽種馬生産、乗馬に関わっている方々も多く運営にあたり、元競走馬もその活動に関わる重要な存在となっている。

 今年は男女9名の選手がエントリーし、ボランティアスタッフや観客を含めると総勢約50名が会場を埋め尽くした。今大会ではジムカーナやボッチャ(馬上からボールを投げて点数を争う)などの競技や、時限爆弾ゲームなどバラエティに富んだ内容で実施された。競技には浦河町乗馬公園に在厩している馬が起用され、モモコ2(中半血種)、エクスプレス(アイシリッシュポニー)、タカラローゼン(アングロアラブ)、B・B(サラブレッド)の4頭が参加選手と共に競技に挑んだ。どの馬も大人しく、側に複数の人間が集まってもじっと指示に従う姿が印象的だった。

 参加者はリーダー、ヘルパーの手助けを得ながら、馬と共に全力を尽くしていた。真剣な表情もあり、笑顔もあり、会場からは「もう少しでゴールだよ」「がんばれ」といった声援がさかんに飛んでいた。あたたかい雰囲気の中でプログラムは進行し、最後の表彰式では参加者は笑みを浮かべて表彰状を手にしていた。

 また、今年も北海道静内農業高校の生徒がボランティアスタッフとして活躍した。生産科学科2年の高階詩穂さんは、「参加者の皆さんにリラックスして騎乗してもらえるように心がけました。馬上で楽しそうな姿を見て、ほっとしました。」と、胸をなでおろしていた。同じく生産科学科2年の木本祥平さんは、「障がい者の介助経験は少なかったのですが、大会では騎乗者・馬に対して安全第一に、優しく接する場面を多く目の当たりにし、たいへん勉強になりました。」と、話した。馬の世界を志す高校生の学びの場としても機能を果たしている。

 大会を終えて、主催した「乗馬ボランティアクラブ クローバー」の本巣隆子会長に感想を伺うと、「無事に大会を終えて良かったです。普段の練習とは違って勝ち負けを競いましたから、参加者からは“勝ちたい”という意欲を感じましたし、大会ならではの体験ができて良かったと思います。良い意味で刺激になって、精神的な部分でのリハビリにつながったと思います。ギャラリーからの声援にもしっかり応えていましたね。大会運営に携わった会員の皆さん、協力してくれた皆さんに感謝したいです。リスクのあるスポーツですから、今後も事故のないように、参加者を育てていきたいです。」と、安堵の表情で話した。

 「クローバー杯」は来年も開催予定で、「乗馬ボランティアクラブ クローバー」では新規会員も募集している。お問い合わせは浦河町乗馬公園まで。

 

●浦河町乗馬公園 TEL 0146-28-1304