阪神JF優勝馬テイエムプリキュアが故郷に凱旋
2005年の阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)、09年の日経新春杯(G2)を制したテイエムプリキュア(牝7歳、父パラダイスクリーク)が11月17日付で競走馬登録を抹消し18日午後、生まれ故郷である新冠町のタニグチ牧場に凱旋した。今後は繁殖として第二の生活に入る。
テイエムプリキュアは父パラダイスクリーク、母フェリアード、母の父ステートリードンという血統。03年10月のHBA日高軽種馬農協主催のオータムセール当歳に上場され、262万5000円で“テイエム”の冠名で知られる竹園正繼氏に購買された。
05年9月の小倉でデビュー勝ち。続くかえで賞も制し、8番人気で迎えた阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)では、フサイチパンドラ、コイウタ、アサヒライジングらを抑えて優勝。3戦無敗でG1制覇を成し遂げ、JRA最優秀2歳牝馬に輝いた。
その後、低迷するも、引退レースと明言して臨んだ08年の日経新春杯(G2)を逃げ切って約3年ぶりの勝利を挙げると引退を撤回。同年秋のエリザベス女王杯(G1)でも2着に入り、波乱を演出した。ラストレースは今年のエリザベス女王杯(G1)。17着と敗退したが、いつものプリキュアらしい走りを見せてファンを喜ばせた。競走成績は37戦4勝(地方1戦0勝)。総獲得賞金は2億474万1000円。
17日に栗東の五十嵐忠男厩舎を出発した同馬は、馬運車に揺られ午後1時過ぎにタニグチ牧場に到着。1歳春に引き取られて以来の故郷に凱旋した。同牧場の谷口貞保代表は「エリザベス女王杯は競馬場に応援に行ってました。パドックでは9枚もの横断幕が出ていたのでビックリしましたが、それだけファンが多かったんでしょうね。レース後も疲れがないというので、すぐ移動してきたようです」と笑顔を見せた。
初年度の配合種牡馬はファンタスティックライトを予定。「見ていて心臓に悪いから、逃げ馬だけにはなってほしくないなあ」とジョークを飛ばし、将来生まれる二世に夢を託していた。