馬産地ニュース

JBCスプリント(Jpn1)はサマーウインドが優勝

  • 2010年11月05日
  • 3万人以上の観客で賑わった当日の船橋競馬場
    3万人以上の観客で賑わった当日の船橋競馬場
  • 優勝したサマーウインド
    優勝したサマーウインド
  • 藤岡佑介騎手と共に初Jpn1制覇となった
    藤岡佑介騎手と共に初Jpn1制覇となった
  • 多くの会員さんも参加して喜びの口取り式
    多くの会員さんも参加して喜びの口取り式
  • 優勝した藤岡佑介騎手と生産者の槇本一雄社長
    優勝した藤岡佑介騎手と生産者の槇本一雄社長

 11月3日、船橋競馬場において第10回JBC(ジャパンブリーディングファームズカップ)が行われた。2001年より始まった生産者主導による“競馬の祭典”JBCはスピード能力を競う短距離戦のJBCスプリント(Jpn1)、ダートの選手権距離のJBCクラシック(Jpn1)という2つのカテゴリでのチャンピオンを決定する一戦であり、各地方競馬場の持ち回りで実施されてきた。

  記念すべき第10回目となった今回は千葉県の船橋競馬場を舞台に行われ、JBCスプリント(Jpn1)はダート1000m、JBCクラシック(Jpn1)はダート1800mの条件で行われた。

  10月下旬より急激な冷え込みに日本列島が包まれ、通過した台風の影響も心配されたが、レース当日は好天に恵まれ絶好の競馬日和となった。船橋競馬場には平成2年以来の3万人超となる30,109人の大観衆が訪れ、場内では「船橋ケイバ ファン感謝祭」「ららぽーとTOKYO-BAYコラボ プレゼント&抽選会」「屋台村JBCスペシャル」「JBCスペシャルステージ」などの多彩なイベントが行われ大きな賑わいを見せていた。

  先に行われたJBCスプリント(Jpn1)は、クラスターカップ(Jpn3)、東京盃(Jpn2)と重賞2連勝のサマーウインドが単勝120円の圧倒的支持を受けていた。レースはサマーウインドが抜群の二の足でスタート地点から100mで先頭に立つと、そのまま軽快に逃げて直線では突き放す一方、2着のナイキマドリードに4馬身の差を付けて圧勝した。 

 サマーウインド(牡5歳、父タイキシャトル 母シンウインド)は嬉しいJpn1初勝利を果たしたが、騎乗する藤岡佑介騎手、管理する庄野靖志調教師、生産の槇本牧場(日高町)にとっても嬉しいJpn1初勝利となった。競馬場で生産馬のレースを見守った槇本牧場の槇本一雄社長は、「G1(Jpn1)はやっぱり嬉しいねぇ。2度も骨折してこんなに活躍してくれて、もう何も望まない、欲は言わないよ」と感無量の様子で喜びを語ってくれた。

  本馬の半兄カゼノコウテイ(牡7歳、父テイエムオペラオー)は今年の夏、ホッカイドウ競馬に転入、先日行われた瑞穂賞(H2)で重賞初制覇を果たし活躍中だ。母のシンウインドは今年26歳、現役時代にはスワンステークス(G2)、京王杯スプリングカップ(G2)と2つの重賞を制した。21歳の時に生まれた最後の産駒がサマーウインドになる。現在、繁殖を引退したシンウインドは功労馬として重賞3勝のファンドリポポ(牝24歳)と一緒に余生を送っているという。

  「兄のカゼノコウテイも脚部不安を抱えながら頑張ってくれています。サラブレッドは1回1回命がけで走ってくれている、ありがたいことです。母のシンウインドもポポと仲良くいつまでも長生きして欲しいですね」と一雄さんは、一族への感謝の気持ちを語ってくれた。晩秋の府中を駆け抜けた“夏の風”は、更に勢いを増して全国の競馬場を駆け抜けてくれることだろう。