繁殖牝馬セールが行われる
国内唯一の「繁殖馬セール」が10月27日、新ひだか町の北海道市場で行なわれた。2歳の未供用馬から、22歳のベテラン繁殖牝馬まで190頭(名簿掲載198頭)が上場され、126頭が売却された。売却率は66.32%で、売上総額は344,053,500円だった。
繁殖牝馬セールの歴史は古く、1979年に(株)ジェイエス(当時はJSカンパニー)主催により第1回セールが開催されたという記録が残っている。以降、30年以上にわたって馬産地の血の改良、血統の更新に役立ってきた。近年では2008年の最優秀2歳牡馬セイウンワンダーや2009年春の天皇賞馬マイネルキッツなどは、のちのG1ウイナーを宿した状態で取引されている。
今回は受胎馬154頭と空胎(未供用含む)36頭の上場。受胎繁殖牝馬は100頭が売却され、空胎繁殖牝馬は26頭が落札された。売却率は、それぞれ64.94%と72.22%。ただし、平均額は受胎繁殖牝馬が3,264,030円に対して、空胎繁殖牝馬は678,865円。
最高価格は1994年の最優秀2歳牡馬フジキセキ、1996年のマーメイドS(G3)勝馬シャイニンレイサーの半妹にあたるレースオブスターズ(父アグネスタキオン、メイショウサムソンを受胎)。7歳という若さに加えて血統的な魅力も評価されて27,300,000円で槇本牧場が落札した。
また2番目の高額馬も同じ血統でシャイニンレーサーの産駒ピサノアリュメール(8歳、父サンデーサイレンス)。母の半弟フジキセキがいて、本馬の半姉には2002年のクイーンC(G3)を制したシャイニンルビーがいる。現在はチチカステナンゴを受胎しており、前川正美さんが21,000,000円で落札した。
セール終了後、(株)ジェイエスの藤原悟郎社長は「売却率70%が目標だったが、それに近い数字を残すことができて満足している」と話した。同社では年明けにも未供用馬を中心とした繁殖セールを行なう予定だ。
◆せり結果の詳細につきましては、(株)ジェイスのホームページよりご確認下さい。2010年繁殖牝馬セール成績表