エーデルワイス賞はリアライズノユメがレコード勝ち
10月21日、門別競馬場では2歳牝馬による交流重賞・エーデルワイス賞(Jpn3)[キングカメハメハ賞]が行われた。GRANDAM-JAPAN・2歳シーズンの2戦目にあたる。
今年はJRAから4頭、岩手から1頭を含めた16頭が参戦。北の2歳牝馬決戦を一目見ようと、門別競馬場は多くの観客が押し寄せ、メインレース前には広い駐車場の大半が埋まった。
人気はJRA・他地区を抑えてホッカイドウ競馬所属馬が上位を占め、地元重賞を2勝しているクラーベセクレタを主軸に、9馬身差の鮮烈デビューから素質の高さを買われているマニエリスム、過去5戦全て3着以内の堅実派マツリバヤシに票は集まった。
レースは内枠を利してウッドシップが逃げ、モルフェソングエルが2番手追走。リアライズノユメ、マツリバヤシが続く。人気のマニエリスムは馬群の真ん中につけ、クラーベセクレタはダッシュがつかず、序盤は後方からの競馬を強いられた。勝負所にさしかかると、前2頭を見ながらリアライズノユメとマツリバヤシが脚色良く進出し、4頭並んで直線へ。
そこから一気に抜け出したのは福永騎手騎乗のリアライズノユメ。他馬と競り合う隙も与えずグングン加速し、あっさりと勝負をつけた。2着には3馬身の差。7番人気の低評価をあざ笑うかのようなワンサイドゲームだった。懸命に追いすがったマツリバヤシが2着。3着には伏兵フロレアルが伸びた。勝ち時計1分11秒7はレコードタイムで、当日行われたA2クラスの勝ち時計を1秒以上上回る優秀なものだった。
コンビを組んだ福永祐一騎手は表彰式のインタビューで、「初ダート、初騎乗とあって騎乗前は手探りの状態でしたが、返し馬が良かったし、反応も良かったです。深いダートに気を使いながら、脚をとられないように乗りました。いいポジションでレースができたし、リズムを取りながら早めに先頭に立てて、勢いがついたのでそのまま行きました。すっかり寒くなりましたが、また門別競馬場に乗りに来たいです。これからも応援宜しくお願いします。」と、大勢のギャラリーを前に答えた。10月はJRA重賞も3勝しており、好調著しい秋を迎えている。
リアライズノユメの生産は日高町の三城牧場。門別競馬場に応援に駆け付けた同牧場の村上場長にお話を伺うと、「重賞を勝てて嬉しいです。中長距離戦で結果を出している全兄と違って、この馬はスピードに長けていますね。母系の良さを受け継いでいます。血統的に芝でもダートでも活躍できそうですね。」と、喜びを語ってくれた。
リアライズノユメの母ジョウノカトリーヌは現役時代2勝。初仔マストハブは10月23日に京都競馬場で3勝目を挙げ、準オープン入りを果たした。2番仔リアライズノユメは兄より先にオープン馬に出世し、繁殖牝馬としては目覚ましい成果を挙げている。今回の勝利で母仔ともに注目が高まっていくだろう。