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道営スプリントは3歳馬シシノテイオーが重賞初V

  • 2010年10月08日
  • 坂下騎手がガッツポーズ
    坂下騎手がガッツポーズ
  • 返し馬でのシシノテイオー
    返し馬でのシシノテイオー
  • 直線で抜け出すシシノテイオー
    直線で抜け出すシシノテイオー
  • 引きあげてくる様子
    引きあげてくる様子
  • 喜びの口取り
    喜びの口取り

 10月7日、門別競馬場では短距離重賞・道営スプリント(H2)[フレンチデピュティ賞]が行われた。

 このレースは11月3日に行われるJBCスプリント(Jpn1)の指定競走で、優勝馬はJBCスプリント(Jpn1)の出走馬選定対象となる。距離はダ1200m。今年は3歳の若馬から8歳の古豪までバラエティに富んだ14頭が出走した。 

 注目はJRAで4勝の実績を持ち、門別転入後も強いレース内容が光るオネストジョン、2歳時からホッカイドウ競馬で高いパフォーマンスを示しているアンペア、交流重賞の常連ポートジェネラルなど快速自慢がズラリ。パドックには筋骨隆々とした短距離ランナーが集結し、鍛え上げられた肉体を披露。20時35分、電撃決戦のゴングは鳴った。

 レースは好ダッシュを決めた3歳牝馬プリモエナジーが逃げ馬ポートジェネラルを抑えてハナに立ち、人気のオネストジョンは先団の各馬を見ながら好位追走。アンペアは縦長の馬群の真ん中につけた。4コーナーを回ると手応え良く3歳馬シシノテイオーが先頭に立ち、一気にリードを広げにかかった。ゴーサインの出たオネストジョン、オンザビートらがエンジン全開で追いすがるが、シシノテイオーの脚色は最後まで衰えず、見事に初重賞制覇を果たした。2着にはオネストジョン、3着はオンザビートが入り、優れた短距離馬を多く輩出しているスウェプトオーヴァーボード産駒のワン・スリー決着となった。 

 優勝した坂下秀樹騎手は表彰式のインタビューで、「前走は手綱を引っ張って折り合いを欠いたので、今回は序盤から楽に行かせました。道中良い手応えで直線も最後までしっかりと伸びてくれましたね。久々に重賞を勝てて嬉しいです。これからも良いレースをしていきますので、応援宜しくお願いします。」と、ホッカイドウ競馬きってのベテランは顔をほころばせた。夏には落馬事故で休養を余儀なくされたが、復帰後2年ぶりの重賞制覇を決め、ゴール板では高々と右手を突き上げた。 

 生産は登別市の青藍牧場。現在、生産馬トウカイメロディが菊花賞(G1)を狙う上がり馬として注目を集めている。同牧場の田中さんは、「優勝できて嬉しいです。今回は重賞で、強い古馬相手に勝ったのですから驚きました。シシノテイオーは母セイランファイターの最後の仔で、牧場では乳母に育てられました。コロンとした体型をしていたのを覚えています。デビュー時に内田博幸騎手が乗って、見どころある勝ち方をしたので、高い能力があると思いました。同世代のトウカイメロディと共に、今後もケガなく無事に走って欲しいです。」と、喜びを語った。

 今回は出走メンバー中最も小さい体(434kg)ではあったが、大型スプリンターとまみえて軽快なスピードを生かし、堂々重賞タイトルをものにした。今後の短距離戦線をにぎわす新星の誕生だ。