馬産地ニュース

北海道2歳優駿の前哨戦のサンライズカップが行われる

  • 2010年10月08日
  • 優勝したエルヘイロー
    優勝したエルヘイロー
  • パドックでのエルヘイロー
    パドックでのエルヘイロー
  • 直線の叩き合い
    直線の叩き合い
  • 喜びの口取り
    喜びの口取り
  • 優勝馬関係者の皆さん
    優勝馬関係者の皆さん

 10月6日、門別競馬場では2歳重賞・サンライズカップ(H3)[コンデュイット賞]が行われた。 

 距離ダート1700m戦に今年は12頭がエントリー。このレースは11月4日に行われる2歳交流重賞・北海道2歳優駿(Jpn3)へ向けての前哨戦で、2歳オープンのトップクラスが顔を合わせた。1番人気は地元戦負けなしのエルヘイロー。距離実績もあり、前走はJRAコスモス賞に挑戦して地方馬最先着を果たした。2番人気は前走ブリーダーズゴールドジュニアカップ(H1)で勝ち馬に僅差の2着まで追いつめたエバーオンワード。3番人気にはメンバー中最も遅生まれながら、すでに重賞で好走歴を持つダークリバースが続いた。 

 レースは1番枠を利して紅一点のリリーがハナを切り、持ち前のスピードを生かしてイチバンボシが2番手を追走。エルヘイローは後方に待機し、外目から徐々に差を詰めていく。最後の直線、好位から馬群を捌いてきたダークリバースが抜け出しを図ったところ、外から勢いよくエルヘイローが脚を伸ばして2頭の競り合いとなり、最後はエルヘイローが1馬身前に出た。2着はダークリバース、パドックで気難しい面を見せていたセンノデバギヤがレースでは鞍上の叱咤激励に応え、3着に奮闘した。 

 エルヘイローに騎乗した宮崎光行騎手は表彰式後のインタビューで、「馬の力を信用して乗りました。ずっと外を回って勝つのですから、力が違いました。これからも応援宜しくお願いします。」と、着差以上の強さを伝えた。宮崎騎手は同レース5度目のV、管理する堂山調教師は同レース3度目の制覇を果たし、共に同レース最多勝利記録を更新した。

 エルヘイローの生産は日高町の高橋耀代さん。青森産の母ロマンオペラは現役時代にJRAで13戦し、2着4回、3着が2回ありながら勝ち星に恵まれなかったが、8頭目に産まれたエルヘイローは安定した決め脚を武器に1着を量産し、今後に期待が膨らませている。意外なことに今回の出走メンバー中、エルヘイローの能力検査の走破時計54.3は最も遅い記録なのだが、ブラックタキシード産駒らしく、実戦で距離が延びて真価を発揮し、騎手も舌を巻く強さで北の2歳チャンプを狙える逸材に成長した。今回の勝ち時計も同レースの門別ダ1700m戦で行われた過去4戦の中では最も速く、今秋、JRA馬相手のリベンジマッチが楽しみとなった。