馬産地ニュース

ウインズ静内で「チャグチャグ馬コ」実演

  • 2010年09月22日
  • チャグチャグ馬コ
    チャグチャグ馬コ
  • 手踊りの様子
    手踊りの様子
  • 静内岩手県人会の皆さんと記念撮影
    静内岩手県人会の皆さんと記念撮影
  • 屋台村
    屋台村
  • 天装戦隊ゴセイジャーショー
    天装戦隊ゴセイジャーショー

 9月19日、ウインズ静内では伝統馬事芸能「チャグチャグ馬コ」の実演・写真撮影会のイベントが行われた。

 「チャグチャグ馬コ」は盛岡で始まった伝統馬事芸能で、人馬の無病息災や家内安全、五穀豊穣を祈願し、馬に美しい装束を付けて神社まで練り歩く。昭和53年に国の無形文化財に選定された。日高地方で披露されることは珍しく、午前と午後の2回にわたって行われた実演には総勢300名以上の見学客が足を運び、歴史ある馬事文化にふれた。

  大小の鈴や飾り物をつけた2頭の重種馬「めぐみ」と「いわひめ」は、“チャグチャグ”と鈴の音を鳴らしながら、ゆったりと会場内を行進した。馬体重は1トン近くあるそうだが、温厚そうな顔つきでのしのしと歩を進めた。実演では女性たちによる手踊りも披露された。

  新ひだか町内から見学に訪れた50代女性の方は、「チャグチャグ馬コが見たくて、仕事の合間を縫って見に来ました。私の家はもともと農家で、こうして重種馬を見ていると昔の農耕馬のことを思い出しました。サラブレッドは神経質なところがありますが、重種馬は穏やかな気性ですね。今回に限らず、毎年実演に来てほしいです。」と、満足そうな様子で写真を撮っていた。

  この日は地元静内の岩手県出身者の会「静内岩手県人会」の方々も集まり、ゆかりの地からやって来た人馬を応援した。同会の60代女性は、「静内にチャグチャグ馬コが行われたのは初めてではないでしょうか。手踊りを見ていると岩手にいた頃のことが頭をよぎり、なつかしくて涙が出ました。」と、胸を詰まらせていた。会の皆さんにとっては郷愁にかられるひと時となったようだ。

  今回「チャグチャグ馬コ」実演にあたった岩手県の高橋さんは、「重種馬を見たことがない人が多かったようで、皆さん興味深くご覧になっていましたね。記念写真を撮る方が大勢いてたいへん嬉しいです。今後も長く伝統を守っていきます。」と、振り返っていた。「チャグチャグ馬コ」は10月3日にウインズ室蘭でも開催される予定だ。

  また、この日は北海道市場パレードリンクで「天装戦隊ゴセイジャー」のショー・握手会が行われ、約800人が観覧。せり会場は子供たちでぎっしりと埋まった。他にもウインズ静内・正面広場では屋台村が並び、静内名物のホッキめしやジャンボからあげ、わた菓子などが売られた。来場者は秋競馬を楽しみながら、様々なイベントも満喫していた。